万里
りお先輩!
俺、今めっちゃ青春っす!
俺、今めっちゃ青春っす!
万里
と言いたいところですが……
実は違います
実は違います
りお
何かあったの?
りお
私でよければ話してね♪
万里
ありがとうございます。
では遠慮なく悩みをぶちまけます
では遠慮なく悩みをぶちまけます
りお
了解! ドンと来い!
万里
実は……
ちょっとテストの順位が落ちて父さんに
怒られました
ちょっとテストの順位が落ちて父さんに
怒られました
万里
特に理科が無理です
万里
っていうか理科の知識ってそんなに大事ですか?
万里
絶対日常生活で使わないですよね
先輩もそう思いません?
先輩もそう思いません?
りお
ス、ストーップ!!!
りお
なんか……マジなやつだね。
もっとかわいい悩みかと思った。
もっとかわいい悩みかと思った。
万里
すいません、取り乱してつい……
りお
そっか……何位だったの? 万里君は
万里
7位です……
りお
え? 全然悪くないじゃん
万里
父さんにとっては悪いみたいです
りお
そっか、大変な時期だよね……
りお
でもさ、勉強って、確かに大変だけど、それ以上に、
沢山学べるから、楽しいんだよ
沢山学べるから、楽しいんだよ
万里
先輩……ありがとうございます
万里
でも、俺にはちょっとまだ分かりません
りお
ゆっくりでいいんだよ
万里
先輩はいいですね、頭が良くて。
正直、モテます?
正直、モテます?
りお
いっ、いやいや!
モテるなんて、そんなうまい話……
モテるなんて、そんなうまい話……
万里
( ̄ー ̄)
りお
本当だってば!
万里
そうですか
万里
じゃあ先輩は、どんな人にコクられたいですか?
りお
はっ? いきなり何の話⁉
万里
どんな人がタイプですかって話です
りお
別にそんなのないよ……?
万里
本当は~?
りお
……強いて言えば、だよ?
万里
おっ?
りお
背が高くてカッコよくて、勉強も運動もできて、
優しくてオシャレで、たまに鈍感……みたいな!
優しくてオシャレで、たまに鈍感……みたいな!
りお
それでね
りお
一生私を愛してくれる人が、私の隣に居てくれたら
いいなー❤
いいなー❤
万里
……めちゃめちゃ理想あるじゃないですか
万里
てかそんな王子様みたいな人、絶対居ませんよ
先輩ってこういうときは馬鹿なんですかね?
先輩ってこういうときは馬鹿なんですかね?
りお
エヘヘ、まーね。
理想だから高くてもいいの!
理想だから高くてもいいの!
万里
先輩にだけ教えますけど
万里
実は俺、好きな人がいるんです
りお
え~~~~~❤
りお
なにそれ、初耳!
りお
だーれ? 同級生?
万里
いえ、歳上です
りお
キャアアアア✨ いいね、これぞ青春♪
りお
告白はするの?
万里
うーん……一方的な俺の片想いなんで
りお
そうなの? 万里君、モテそうだけどね?
万里
モテそう……? 気遣いいらないですよ
りお
本心だよ
万里
あっ、そうだ先輩!
万里
女子って、どういう男が好きですか?
どうせなら、先輩の意見を参考にと思って……。
どうせなら、先輩の意見を参考にと思って……。
りお
どういう人……かあ。
人それぞれだけどね。
人それぞれだけどね。
りお
でも、好きって言われたら女の子はみんな嬉しいと思うよ
万里
なるほど、先輩も好きって言われたら嬉しいですか?
りお
え? うん、そうだね
万里
……好き。
りお
ありがとう、私も万里君大好きだよー WW
万里
……絶対意味伝わってないだろ……
りお
ん?
万里
いや……じゃあ先輩の憧れの告白シチュエーションは?
りお
うーん、そうだねえ……
りお
サッカー部のエースと一緒に星が見える夜道
歩いてて~、『俺、りおのこと好きだわ……』
とか言われちゃったりして~~~❤
歩いてて~、『俺、りおのこと好きだわ……』
とか言われちゃったりして~~~❤
りお
そんなことが現実に起きたら、多分キュン死しちゃうかも
りお
あとは、
突然好きな人の話題になって、『好きな人誰?』
って聞いたら、『お前だよ……』ってのもいい~♥
突然好きな人の話題になって、『好きな人誰?』
って聞いたら、『お前だよ……』ってのもいい~♥
万里
……はい。
りお
あは、ごめんね、勝手に盛り上がっちゃって……(照)
万里
いえいえ、参考になりました
りお
そーお? よかった!
万里
もう少し様子見て、チャンスが来たら、告白してみます
りお
おう、ガンバ! (^ー^)
りお
いい報告待ってるよ~🎵
万里
あの……
万里
先輩は俺に彼女できても、何とも思いませんか……?
りお
え
万里
……
りお
何とも思わないワケないでしょ?
万里君は大事な後輩だよ
万里君は大事な後輩だよ
りお
万里君が幸せになってくれたら、私も嬉しい
万里
……ありがとうございます
万里
夜遅くまで引き留めて、すいませんでした
りお
ううん、恋バナ楽しかった❗
万里
ではおやすみなさい
りお
おやすみー (*´~`*)
数日後
りお
ヤッホー、委員会お疲れさま!
万里
お疲れさまです
りお
好きな人との調子はどーお?
万里
アピールはしてるんですけど、その人が鈍感すぎて
気付いてもらえません……
気付いてもらえません……
りお
あちゃー……
りお
でもアタックはしてるんだね、偉いぞ!
りお
きっといつか届くよ byりお
万里
いや、多分このままじゃ伝わらないです
万里
やっぱり素直に、直接言った方がいいのかもしれないです
万里
頼りないって思われません?
りお
ん~、少なくとも、私はそうは思わないよ。
一生懸命頑張ってる人のこと、応援してあげたいって思うよ
一生懸命頑張ってる人のこと、応援してあげたいって思うよ
万里
先輩……☺
りお
だからガンバレ❗
万里
ありがとうございます!
今ので勇気出ました
今ので勇気出ました
りお
よかった!
万里
じゃあ先輩、今からその人に告白してきてもいいですか?
りお
おおおおお!
万里
なので、先輩もちょっとついてきてくれませんか
りお
え、なんで私?
万里
逃げないように、見守ってほしいです
りお
万里君、本気なんだね!
りお
そういうことなら任せてー🎵
今から行くから!
今から行くから!
万里
ありがとうございます。
***
りお
(万里君の告白の相手って誰だろう!)
りお
(告白成功してほしいな)
りお
あ、万里君!
りお
(あ、花束持ってる……!)
万里
来てくれてありがとうございます
りお
その花束、もしかして
万里
はい、好きな人に渡します
万里
その人が好きな色で組み合わせてみたんですけど、
どうですかね?
どうですかね?
りお
うん、可愛いと思う。絶対上手くいくよ!
りお
頑張ってね
万里
はい
30分後
りお
……
万里
……
りお
……
万里
…………
りお
(来ないな……万里君、悲しそう……)
りお
(そりゃ、そうだよね)
りお
(万里君、その人のこと、本気で好きなんだから)
りお
万里君、もう少し待ってみよう。ね?
万里
……相手はもう、来てますよ
りお
え?
りお
(来てない……よね?)
りお
居ないよ?
万里
先輩って本当に鈍感ですね
万里
ここまで言われてもまだ、分かりませんか?
りお
(どういう意味だろう?)
りお
(あ……万里君の目、綺麗)
りお
(て、何考えてんの、私!)
──ポンッ
万里
はい、時間切れ
りお
(花束……)
りお
(これって、万里君の好きな人にあげるはずだよね?)
万里
もう気付いて
万里
……俺の好きな人は、今俺の目の前にいる人なんですよ
りお
(え? それって……私⁉)
りお
(そんなわけ……)
万里
俺は……りお先輩のことが好きです……!
りお
(万里君、顔真っ赤……)
万里
やっと見てくれましたね、俺を
りお
万里君……
りお
(あれ? どうして? 私……)
りお
(私は、万里君が好き…………………………?)
万里
相手がサッカー部のエースじゃなくてすいません
万里
星が見える夜道じゃなくてすいません
りお
そ、そんなの……別に……
万里
りお先輩、これからは俺のこと、後輩とかじゃなくて
万里
彼氏として見てくれませんか
万里
これからは俺、りお先輩と二人で
万里
想い出を積み重ねていきたいです
りお
(なんでだろう)
りお
(ほんの一瞬で、万里君の虜になってしまった)
りお
(万里君しか、見えなくなる)
りお
(でも私、本当はとっくに、万里君に恋してたのかも)
万里
だからりお先輩
万里
俺と付き合ってくださいっ
りお
ずるいよ、万里君……
万里
え?
りお
(そんなにカッコよくて、かわいい顔で言われたら)
りお
(好きにならずにはいられないよ……)
りお
私でよければ、喜んで……
万里
っ……
万里
よっしゃああああああああああああ!
りお
まったくもう、後輩とこんなことになるなんて
万里
先輩、後輩じゃなくて『彼氏』です
りお
ううう……
万里
先輩、大好き
この日私は、先輩・後輩の関係を越えて、 万里君と恋人になりました。
あの時は頼りなかった後輩は、 今では たくましい彼氏です。
END
♥よろしくお願い致します!!