『ママに会いたいから。』

6番目視点

1番目視点

2番目視点

3番目視点

4番目視点

5番目視点

僕たちは、双子の受精卵として生まれた

でも、顔が似てない。

それに、必ずどちらかは生まれて、どちらかは死に至る。

でも、約束したんだ。

一緒にママに会うんだって。

さっきから弟が変だ。

ずっと何かと話しているような感じで、まるでそこに「ダレカ」がいるような。

「彼」とは知り合いを感じて出会った

「彼」は私には無いいろんなものを持っていた

だから、好きになることに時間はかからなかった

3度目の子は、殺すことを前提に作った子だった

「そういう」のが好きな客だった

経験があると言ったら、すぐ孕まされた

大量にお金を渡されて勧められた病院へ行った

手術は、思っていたよりも早く終わった

金を積めば、こんなに簡単なんだ！

見ることの無かった3番目の子を思いながら帰った

雨はいつもよりも冷たく感じた

バイバイ、二度と私のところに来ないでね

どうか彼らが、ママに会えますように

「彼」とは知り合いを通じて出会った

「彼」は私には無いものを持っていた

1度目に孕んだ子は、「彼」の兄との無理矢理でできた

かなりあせった、どうしたらいいか分からなかった

だけど思っていたより腹は大きくならなかった、だから放っておくことにした

ある日、何の予兆もなくソレは生まれた

わりとすんなりと出てきたソレを鉄パイプで殴りつけた

何度も何度も何度も何度も何度も何度もぐちゃぐちゃになっても何度も

ぐちゃぐちゃになったあれは少し放置しただけですぐに蛆が沸いた

バイバイ、二度と私のところに来ないでね

おれはちゃんと「おにいちゃん」になれてたのかな…？

お金は貯まった

だけど、私の中は何もかも空っぽだった。

5人目を孕んだ時は、もうどうでもよかった

もう、死にたい

それしか考えることができなかった

だけど『あの人』はそんな私を支えてくれた

『あの人』は全てをくれた。 「彼」とは違った

『あの人』は腹の子も一緒に愛してくれると言ってくれた

だから…この5番目の子はちゃんと生んであげるの

今度は一緒に優しいママに会いに行こうね。

またな

お医者さんが言うには、私の身体はもうボロボロらしい

今の一人が最後になると言われてしまった

双子と診断されたこの子たちは、どちらも衰弱していた

「生まれ出ても長くは生きられない、片方は必ず死ぬ。」なんて…

それでも、今は一人じゃないから幸せにしてあげられる

今までごめんなさい

次回 2番目の死因