~昼休み〜
綾音
松永
綾音
綾音
綾音
〜裏庭〜
松永
裏庭へ行くと、既に松永さんとその取り巻き達が仁王立ちで待っていた。
綾音
松永
松永
後ろの取り巻きたちも続けて、「そーよ!そーよ!」なんて言っている。
綾音
松永
松永
綾音
松永
私の作戦はこうだ。
「聞き分けの良い奴は早く帰れる作戦」!!!
綾音
綾音
松永
綾音
私はビシッと90度の礼をお見舞してやった。
松永
綾音
松永
綾音
松永
松永
松永
綾音
どくんと胸が跳ねた。
理由はどうであれ、たしかにこんなにハキハキ松永さんと話したことは無い。
綾音
松永
松永
そういうと松永さんはいきなり、
取り巻き達に用意させたであろうバケツを私にぶちまけた。
バシャァッ
綾音
松永
松永
綾音
「変われない」
その言葉が頭に響く。
そうだ。ちょっと不良の人達と話したからって
陰キャが変われるわけないのだ。
__涙がこぼれそうになったその時
涼子
綾音
松永
松永
水に濡れた私をそっと抱きしめ、
松永さん達の前に涼子さんが立ちはだかった。
涼子
涼子
涼子さんはギロっと松永さん達を睨みつける。
涼子
松永
松永さん達はガタガタと震え上がった。
涼子
涼子
綾音
ポロポロと涙が零れた。
胸のわだかまりが溶けていくようだった。
松永
涼子
涼子
そう言うと涼子さんは指をパキパキと鳴らす。
綾音
松永
松永さんと取り巻き達は逃げ出してしまった。
綾音
綾音
涼子
涼子
綾音
優しく頭を撫でられ、また涙が溢れた。
私は涼子さんの前で子供みたいに大泣きしてしまった。
〜屋上〜
涼子
綾音
私は、涼子さんに連れられ、午後の授業をサボって屋上に来ていた。
環
龍夜
そこには当たり前のように神城龍夜と環くんがいて、
心配そうに私を囲んだ。
綾音
環
環
綾音
そう言って私はブレザーを脱ごうとするが
龍夜
綾音
神城龍夜に止められた。
涼子
綾音
脱ぎかけたブレザーの中を確認して見れば、
綾音
ブラウスまで濡れてしまい、下着が透けてしまっていた。
環
綾音
環くんは手で目を覆い、顔を赤くしていた。
綾音
龍夜
綾音
ワタワタしていると、神城龍夜が自分の来ていたジャージを脱ぎ、
私に渡してきた。
綾音
龍夜
綾音
龍夜
綾音
私はジャージを受け取り、影でブレザーとブラウスを脱ぎ、
神城龍夜のジャージに身を包んだ。
綾音
シトラスの良い香りが鼻をくすぐる。
綾音
綾音
龍夜
綾音
思わずジャージの匂いに夢中になってしまっていた。
綾音
環
涼子
環
環
龍夜
環
綾音
環
私は思わず笑ってしまっていた。
綾音
龍夜
涼子
綾音
綾音
綾音
綾音
私が深々とお辞儀をすると、3人は驚いた顔をした。
環
龍夜
涼子
涼子さんがふふっと笑うと
環くんも笑いだした。
青空に笑い声が響く。
午後の授業中、昼下がりの屋上だった。
綾音
涼子
涼子
綾音
涼子
涼子
綾音
環
涼子
そう言って不敵に微笑む涼子さんは
やっぱり女帝だな、と思うような美しさだった。
綾音
今日も私は、布団の中で反省会。
綾音
今日は朝から色々あった。
綾音
綾音
綾音
「聞き分けの良い奴は早く帰れる作戦」は失敗に終わり、
松永さん達をもっと怒らせる結果になってしまった。
綾音
綾音
綾音
グルグルと考えるが、答えは出ない。
綾音
綾音
綾音
涼子さんと私の関係はまだわからない。でも、
私に「味方」ができた。
それだけは確かだと思った。
綾音
すごく良い香りの大きなジャージ。
男子のジャージを借りたのも初めて。
綾音
綾音
あれから変態チックな考えに陥りがちだ。
綾音
綾音
昨日の不安感とうってかわり、
今は、涼子さんの用事へのワクワク感と
味方ができたことへの幸福感で満たされていた。
綾音
私は静かに眠りに落ちていった。
松永
ポロリと涙が零れた。