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好きです(白目) なんかもう、炉留がすごく素敵です
悪夢を見た。
潮の引いた砂浜で、向かい合うチョロ松と何かを話す夢。
夢の中のチョロ松は少しでも目を離したら消えてしまいそうな、そんな儚さのようなものがあって。 どんよりとした空気が更にそれを感じさせていた。
チョロ松
とても暗くて、辛い話をしているはずなのに目の前の彼は終始柔らかな笑みをこちらに向けていて
どこかとても気味が悪かった。
おそ松
おそ松
聞き取れない最後の言葉が怖くて、仕方なくて、必死に彼を呼び叫ぶが返事なんて来るはずなくって。 目の前の男はただ俺に向かって変わらず笑顔を見せるだけだった
おそ松
ハッと目が覚める。 日の光が差し込む窓が眩しくて俺早起きしちゃったかも。なんて、さっき見た悪夢とは裏腹、呑気に考えた
じっとりと肌を伝う冷や汗を拭い、ふと横を向きチョロ松を見る。
あまりにも心地よさそうにスヤスヤ寝てるもんだから、少しムカついて、でもそれ以上に安心してしまって
何かイタズラでもしてやろうと考えたけど、柄でもなく大切にしたいななんて気持ちが勝ってしまったからもう一度布団に入りチョロ松を抱きしめる
チョロ松の優しい温もりを、匂いを感じれて、ひどく安心した。
彼のぬくもりは匂いは眠気を誘う。 抱きしめたとき俺の体温とチョロ松の少し低い体温が混ざって丁度よくなる。
「俺ら案外相性いいよな。」なんて自分でも聞き取れるか分からないほど小さな声量で呟いてから、再び目を伏せた
チョロ松
チョロ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
俺を転がすように足でゲジゲジと蹴ってくる。
その行為がチョロ松だって、チョロ松なんだって安心できちゃって、ちょっとでも構ってほしかったから反抗するようにチョロ松の足首を掴んだ
チョロ松
蹴る足に力を込めていたのかチョロ松はバランスを崩しぼふっと俺の方へ倒れ込んでくる
おそ松
おそ松
チョロ松
ちょんと俺とチョロ松の鼻がくっつく 今にもキスできそうなとても近い距離感にいたから、胸が高鳴って仕方ない
目の前のチョロ松は俺よりもっと真っ赤な顔をして、見つめ合うのも恥ずかしいのか薄目で俺を見下げていた
今ならキスができる距離だ。 チョロ松もきっとそれを望んでいて俺ももちろん同じ気持ち。
おそ松
やべ。 間違えた
この流れでキスなんて容易いと思ってたのに。 あまりにも気恥しいこの空気感に耐えられなくて、思わずバカみたいに子供っぽい事を口走ってしまった。
このままのムードでキスとか。俺には無理。何十年童貞やってきたと思ってんだ。
チョロ松
チョロ松
おそ松
強烈な腹パンが繰り出される。みぞおちにクリーンヒット。 痛い痛い死ぬよこれ。俺もうダメだ。さようなら赤塚先生。
チョロ松
おそ松
おそ松
子供をあやす様にチョロ松を優しく撫でてやると不満げにそれでもって少し嬉しそうに頬を膨らませていた。
ほっぺ膨らますとかぶりっ子かよ。
まぁ、そこも好き。
顔も身長も全く同じ兄弟だけど、俺らにしか分からないような違いがって、そこが本当に愛おしくて大好き
この良さを俺だけが知っていればそれでいい
おそ松
おそ松
ぐいと再び顔を近づけると恥ずかしそうに顔を赤らめて、でも目線は逸らしてくれないからつられてこっちまで熱くなってくる
チョロ松
チョロ松
逆三角で少し眉をひそめるチョロ松の姿は可愛くて。 まだキスに慣れていないのか熱を持った声がチョロ松の口から漏れていた
チュッと軽いリップ音が耳に響く。 その音ですら熱を帯びていて、目を開くと薄目を開けていたチョロ松と目がかち合った。
キスしてる時に目が合うって行為ほど恥ずかしいものはなくて でもそれ以上に恥ずかしがって目を逸らすチョロ松が可愛くて、目を開けて良かったとすら感じてしまう
おそ松
おそ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
チョロ松
何その間。なんか怖いよ怖い。 ちょっと悲しそうな顔をするチョロ松の胸の内が読めなくて、チョロ松の事は何でも知っている気でいたけどそんな事なかったかもしれない。
チョロ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
おそ松
おそ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
思わず乾いた笑いがお互い口から出てきた。
やっぱいきなり家出て二人暮ししようなんて馬鹿すぎたのかもしれない。
既に金を払いきれず利用停止を食らったスマホからは数十件の不在着信が溜まっていた。
そのスマホを眺めると俺らの行動は間違ってたのかもしれないなんて後悔にひどく襲われるから、 でも間違ってないって思っていたいから現実から目を逸らし続けた
その罰なのかもしれない。
でもそれをチョロ松に『ごめん』の一言で済ましてしまうのは違う気がして。何も言えなかった
おそ松
おそ松
チョロ松
そう言うとチョロ松は俺から離れキッチンの棚の方へ向かった。
チョロ松
おそ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
おそ松
おそ松
チョロ松
おそ松
おそ松
いつも通りへらっとした表情で言う俺とは裏腹に鳩が豆鉄砲食らったと言う言葉が似合うほど、心底驚いた表情を目の前の弟は見せた
チョロ松
チョロ松
おそ松
おそ松
チョロ松
チョロ松
もっと「そこへ行ったってどう生活するんだよ!」とか色々言われるかと思ったが案外早く頷かれて少し拍子抜けした。
今のコイツなら一緒に死のうって言っても何も考えず「いいよ死のっか」なんて言って死んでくれそう。 とかそういうことを少し期待をしてしまう
その時のチョロ松はちょっと嬉しそうに、でも、どこか寂しそうな。 そんな形容しがたい表情を浮かべていた。
夜逃げ決行日。夜になった。 今は夜中の0時過ぎぐらい。正確な時間は時計がないから分からないが多分それぐらい
手持ちの1000円とそれぞれのお気に入りの服とか個人情報がバレそうなものなど色々をリュックに詰めてなるべく隣人に気付かれないように静かに鍵を開けた
この狭い玄関も溜まったゴミ袋も全部お別れなんだと考えたら少し、悲しくなってしまって出ていくのを躊躇ってしまう
チョロ松
チョロ松
玄関を開け外に片足を出しているチョロ松に小声で話かけられ手を差し伸べられるから、 俺の居場所はコイツの隣だってコイツとならって思っちゃって。
差し伸べられたその手をしっかり握って逃がさないようにってそう考えた
電車に揺られゴールも何も無い場所へ向かう。
終電ギリギリのせいか俺ら以外に人はほとんど居なくて、ちらほらと見かける人々は皆疲労だろうか眠そうにウトウトと船を漕いでいた。
窓を見ても1面真っ暗で時々見える人工的な光にも何の感動も得られない。
おそ松
チョロ松
おそ松
捨て台詞のようにポツリと呟いた言葉とは裏腹に、チョロ松の「自分で分かってるくせに」なんて皮肉めいた言葉が脳裏に浮かぶ
知っているけど知ることを恐れている。
俺って自分に甘い奴だから、仕方ないんだ。やる時はやる男だって自負してるつもりだけどチョロ松が関わってくると中々決心が付けない。
怖くて、何も知りたくない。
下唇を噛み締め強く拳を握る。 そんな姿がチョロ松にとってはひどく滑稽なものだったようで、幼い少年のように無邪気に笑っていた。
チョロ松
おそ松
おそ松
過去のアイツと重なって見えた。 声変わりする前の真面目になる前のずっと俺と先頭を切っていたあの頃のチョロ松がそこにはいた。
あまりにその表情が幼く見えてしまったから、これが本当にチョロ松なのか不安になってしまって。
おそ松
次は…〜駅…〜駅 お出口は左側です
チョロ松
おそ松
そう言うとチョロ松は席から立ち上がり左側のドアの目の前にある手すりを掴む。 がたがたと軽快に揺れる電車のせいでチョロ松はそれに合わせるよう左右に揺れていた。
電車に揺られながら此方を見つめるその目からは彼の心中が見えそうで見えない。
そんな姿が不安になって。 同時に惹き込まれてしまった。
チョロ松
潮の引いた砂浜。 海を背に此方を見つめる弟。
確かに、確実にその光景は。 俺が、あの時見た夢と同じで。
でもこれは夢じゃなくて
おそ松
チョロ松
チョロ松
おそ松
おそ松
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う
やめて。やめてよ。チョロ松。やめて。
チョロ松
チョロ松
おそ松
チョロ松
チョロ松
チョロ松
おそ松
おそ松
チョロ松の手を震えた手で触れる。 自然と声も震えて目尻からじんわりと涙が溢れていくのを感じた。
強く握るチョロ松の手が酷く幼く感じた。
チョロ松
やめて。知らないでいさせて
俺の
幻想を壊さないで