公園に着いてベンチに腰を下ろした。晴くんも何も言わずに隣に座る。
しばらく僕は無言のままで、晴くんと目も合わせずにただ景色を見ていた。
knmc
別れよ?

kid
…なんで? 僕のこと嫌いになった?

knmc
晴くんは大学生で僕よりずっと大人だしさ。もっと同世代の人とお付き合いとかした方がいいと思う。僕なんかより…

kid
ちょっと待ってよ、なんのこと? なんで急にそんなこというの?

knmc
同じ大学の人?と親密そうだったじゃん。その人とつきあっちゃえばいいでしょ。

kid
親密? 昨日のこと? 確かに同じゼミの仲間と一緒にいたけどさ、僕もあいつも全然そんなんじゃないよ。そもそもアイツかなり酔ってたし…

knmc
そういうのも! 一緒に飲みにいくとかも僕にはできないし! 晴くんの部屋に泊まるとかも、したことないし! 僕なんかといても、つまらないでしょ?!

次の瞬間、視界がふっと暗くなって、唇に温かくて柔らかい感触。
knmc
…え?

kid
勝手なことばっかり言ってさ。どうして僕の気持ち、信じてくれないの?!

knmc
今、キス…

kid
したよ。でも、刀也くんは僕が他の人と付き合ってもキスしても、もうどうでもいいんでしょ?!

knmc
…やだ。

knmc
晴くんが他の人にとられるのやだ。ごめんなさい。別れるとかいってごめんなさい。

kid
僕こそごめんね。不安にさせちゃってたんだね。

晴くんはいつも以上に優しい声でそういうと、そっと僕の頭を撫でてくれた。不思議と心地よかった。
knmc
ていうか、僕、キス初めてだったんだけど…

kid
刀也くんがあんなこというから悪いんでしょ。けど、ご不満があるならやり直してよ。どうぞ。

晴くんがいたずらっぽい顔で目を閉じる。
僕はそれをのぞき込むような姿勢で、すっ、とキスをした。