段々と明るくなってきた道を
2人で歩く
隣を歩く彼の顔が
あまりにも無表情で
口を開いてみては何も言えなかった
沈黙を破ったのは彼の方だった
驚いて声が裏返ってしまう
そんな俺に彼が少し笑う
そう言って彼を軽く小突く
唐突に彼が発した
感謝の言葉
彼の顔は
無表情でも
悲しそうでもなくて
太陽に照らされた
明るい笑顔だった
一瞬状況が把握出来なくて混乱する
辺りを見回すと地下の処置室
体を起こすと激痛が体を駆け巡る
痛みで荒くなった息を整えながら
次の行動を考える
この状態で動くのは難しそうだ
かと言ってこのまま寝ている訳にいかない
思考を巡らせていると
ぎぃ、と音を立てて扉が開いた
露骨に嫌な顔をしてしまった
どうしても聞きたかった
あの後どうなったのか
彼がその言葉を
俺を元気づけるために言ったのか
それとも事実なのか
俺には聞けなかった
手が震える
まだ連絡はない
…二人が、帰ってこなかったら
まぜ太にああは言ったものの
内心不安で仕方ない
そんな風に小突きあっていると
そんな声が聞こえてきた
俺がそう叫ぶのと同時に
家の中を走る音が聞こえてくる
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続きが楽しみです!(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク