帝がクローゼットから、何かを次々と引っ張り出す。
帝
猫耳、犬耳、それから……
帝
これは目立ちすぎかもしれませんが、ウサギ耳のカチューシャも
白石 類
なんですかこれ?
帝
見ればわかるでしょう、カチューシャです
帝
ライオンのもありますが、まあアナタはライオンって柄ではありませんしね
白石 類
カチューシャはわかりましたけど、一体なんに使うんですか?
帝
はあ。説明しなければわかりませんか
帝
さっき言いましたよね? この街では人間は目立つって
帝
ですからまず、見た目をごまかしましょう
帝
あなたのその、つるんとした頭部はセクシーすぎるので……
白石 類
せ、セクシー?
帝
それじゃ裸で外に出るのと同じですよ
白石 類
裸……!?
白石 類
(そうだったんだ……)
白石 類
(どうりで人から見られるわけだ……)
白石 類
じゃあ……頭に何かつけた方がいいんですか?
帝
当然です
白石 類
(けど、25歳の男がカチューシャなんて……)
類はためらいながらも猫耳カチューシャをつけてみた。
帝
猫、似合いますね。押し倒したくなります
白石 類
!? それじゃ逆効果じゃないですか
帝
それでも人間の姿よりはだいぶマシだと思います
帝
アナタが人間の姿のままだと、私はアナタを天井から吊してムチでいじめながら犯したくなるので
白石 類
(今なんて!??)
白石 類
いや、それは帝さんの人間性……いや、獣人性の問題じゃ……?
帝
大丈夫ですよ。私にも人並みの理性はあるので
白石 類
……だとしても、考えてること自体が……
帝
何か言いましたか?
白石 類
いえ、何も……
白石 類
(この人とは必要以上に関わらない方がいいみたい)
帝
やっぱり猫より犬ですね。これにしましょう!
白石 類
わ、わかりました
白石 類
(素直につけとこう。この会話終わらせたい)
帝
それと、最後にお仕置き
白石 類
えっ……!?
帝
…………
白石 類
なっ、何……?
壁際に追い詰められ、シャツをめくり上げられた。
帝
ちょっとだけいじめてあげます
白石 類
ひあっ!
帝
ああ、なんて可愛い乳首でしょう
白石 類
あんっ、痛いって!
帝
軽く爪を立ててあげただけです
白石 類
(うう、痛いっていうか、痛キモチイイ……)
白石 類
帝さん……こういうのダメ……
白石 類
(感じちゃうから……)
帝
ダメならもうしないでください
白石 類
虎さんにちょっかい出すなってことだよね?
帝
ええ。次から男が欲しければ、私に言いなさい
帝
私が満足させてあげます
帝
あなたが『もっと』って泣いておねだりする姿は、きっととても可憐でしょうね
白石 類
(えーっ、そういう感じ!?)
帝
(にこっ)
白石 類
(いやいや、ないない!)
白石 類
(この人のは、きっと痛いやつだ……)