ようこそ何でも屋へ

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

1人目「あの場所で相棒と遊ぶ夢」

ずっとこんな日が続けばいいのにな

高校生活最後の冬

私たち2人は夕焼けの綺麗なこの場所で最後の別れをした。

それっきり、相棒と会うことはなかった

多分、お互い忙しくてなんとなく連絡が取れなくなってしまったことが原因なんだと思う

ﾂｰﾂｰﾂｰ

おかけになった電話番号は____

高校時代に使っていた電話番号は既に変わっていた

ほんの少し、ほんの少しだけでいいから会って話がしたかった。

自分は今こんなことをしていて、こんなことだってやったんだって

いつの日かに約束したあの場所で、また会って話したかった。

そんなことを考えながらいつものように歩く。

あれから相棒と関わりのある人に話を聞いてみたりしたが手がかりはひとつもなかった

なにか隠したいことでもあるんだろうか

考え事をしながら歩いていると全く知らない場所に着いてしまっていた

小洒落たカフェのような雰囲気のある外観に加えてデカデカと看板があった。

何でも屋 「混沌」

どこかで聞いたことのあるようなその名前に首を傾げる。

手元にあったスマホで簡単にその名前を検索すればああ、と思い出す

何でも屋「混沌」とは最近ネットニュースになっている何でも屋である

本当に困っている人しか辿り着けない秘密の場所にあり、どこにあるのかどんな場所なのか正確なことは分からないのである

自分は今困っている…？

自覚のないそれに驚き思わず口を覆う

目の前にある両開きの扉を恐る恐る開ける

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

入り口のベルが音を立てる。

それと同時に扉が開き、人が入ってくる

見覚えのあるその人を前に出かけた体を引っ込める。

なんで、どうして

絶対に来るはず無いと思ってたのに

一緒に裏にいたうにねぇへバトンパスし、絶対に見つからないよう店の奥へと行く

この店の定型文となる言葉をつらつらと言ううにねぇ

そう思ってしまうほどには違和感が無い会話だった

それはもう痙攣並に震えているうにねぇの手先を見て笑うぶんちゃ

それからうにねぇが戻ってくるまで2人で笑いを堪え続けた

1.探している人がいる 2.高校生以来連絡が取れず、久しぶりに会って話がしたい 3.探している人の名前は______

この業界で活動を始めてから今までの自分の連絡先などの情報は全て切った

身バレが怖いのもあるけど、友達にこんなことしているのがバレたらどうなることやら

混沌ではお代にお金じゃなく、その人の夢を貰っている

夢をあげた依頼人はその夢についてさっぱり忘れ混沌との出来事も忘れるのだ

ただし、夢は依頼人が1番思っている夢のみ貰えるため青鈴が他のことを1番に思っていたら…

別で受けた依頼をしながらうにねぇと話をする

依頼であった結婚指輪の捜索が無事終了したため、何でも屋に戻ることにした