どうして世界はこんなにも 悲しいことで溢れているんだろう
どうして神様はこんなに 苦しみばかり与えるんだろう
大切なものはいつだっていとも簡単に奪われてしまうし、
時にはどんなに悔やんでも取り返しのつかない罪を背負ってしまうこともある
だけど胸をかきむしるほど悲しくても、息もできないくらい苦しくても
それでも私たちは、歯を食いしばって前を向いて、生きていかなきゃいけないんだ。
だって、私たちは、生きてるんだから
彼の優しさが、彼女の愛が、そして君の厳しさが、私にそれを教えてくれた
白瀬 真波
ずっしりと重たい荷物を抱えて駅のホームに降り立ち、これからも住むことになる町を見渡した
ときの私の第一声が、それだった。
白瀬 真波
『鳥浦』と書かれた駅名板を見上げて、ふうっと深いため息を吐き出す。
数えるほどしか乗客ののいない電車をこの駅で降りたのは、私一人だった
再び駅の外に視線を向ける。
目に映るのは、空の青と山の緑だけ。
その下にら、地面にへばりつくように建ち並ぶ古くさい木造住宅の茶色が続いている。
ど田舎、という言葉が頭に浮かんだ
T市鳥浦町。
ここに来たのは、十年以上前、幼稚園のころ母親に連れられてぴぃ祖父母の家を訪れたときの一度だけだった。
幼かったか、ほとんど記憶はなくて、こんなにもなにもないところだとは思わなかった。
これまでの環境と違いすぎて、言いようのない不安が込み上げてくる。
私、これから、どうなるんだろ。
ぼんやりと考えながら、案内表示の矢印に従って階段を上り、
線路の上をまたぐ連絡通路を渡って、また階段を下りる。
改札機はひとつだけだった。
住み慣れた街を出るときには、掃除機のノズルに吸い込まれていく無数の塵のひとかけらみたいに、
人波に押し流されながらずらりと並ぶ改札機のひとつを通り抜けた。
でも、新しい町に入る今は、無人のホームの端にぽつんと佇むそれを、
たったひとりで通り抜けている。
ずいぶんな落差だった。
当然か、と思う。
私がこれまで暮らしていたのは、このA県の県庁所在地N市の心部だった。
海に突き出した半島の先端にあるこのT市とは比べものにならないほど、の人口密度で、いつどこに行っても数えきれないほどの人がいる。
白瀬 真波
白瀬 真波
白瀬 真波
白瀬 真波
コメント
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えっと……えーこの小説面白いですよね…せめてハッシュタグつけた方が……良いのでは、?(おすすめ、的な)あと優海さんと凪沙さんのストーリーもあるんでぜひ見てみてくださいー(海に願いを風に祈りをそして君に誓いをってやつです)