いつの間にかにやられてる
この複雑な気持ちに
ずっとずっと心を
苦しめさせられる
なんだよ...
ほんとずりぃよ
でもほんとにずるいのは
俺のほうかもしれない
颯
帰るかー?
真飛
んー、ちょっとこれだけやってからー
颯
お前ほんとに真面目だよな
教科書を開いて
ノートをまとめている
真飛
先、帰っててもいーよ
颯
いや、待ってるわ
真飛
ほんと?
真飛
じゃあダッシュで終わらせる
颯
おう
真飛がいる前の席に座って
ぼやーっと眺める
真飛
.....
真飛
視線が凄いんだけど...?
颯
っあぁ、いやなんでもねーよ
真飛
ふーん
真飛
ならいいけど
なんかちょっと恥ずかしくなって
顔を伏せる
心臓の音がうるさい
だめだ
おかしくなりそう
シャーペンの音を聞きながら
目を瞑る
少し前の俺なら
目を瞑ってるだけで寝れるのに
最近は目を瞑ったまま
颯
(こんなんじゃ、寝れねーよな)
真飛
.....い
真飛
おーい
真飛
はーやーてー
颯
ん...
真飛
起きてって
真飛
終わったから帰るぞ
颯
あれ、もう終わったのか
結局寝れずに時間だけが過ぎていた
起こして欲しくて
寝たふり
なーんて
俺甘えすぎかな
真飛
もうって、寝てたからでしょ
真飛
ほんとによく寝るなぁ
颯
俺の睡眠欲なめんなよ
真飛
ははっ
真飛
さっ、帰ろ
颯
おう
颯
んぁっ
颯
今日も疲れたぁぁ
真飛
疲れたって、颯授業中寝てるだけじゃん
颯
げ
颯
バレてた?
真飛
僕の席から見え見えなんですけど?
颯
...って、俺ノートとってないわ
真飛
はぁ
真飛
そーゆうと思って、ほら
真飛
さっきの時間にまとめたよ
颯
おぉー!
颯
さんきゅーな
颯
真飛ならやってくれると思ってた
真飛
さすが僕
颯
さすがさすが〜
こんないつもの会話
だけど今日は
いつもとは違う感じがした
颯
やっぱ俺さ
颯
お前と過ごすのすげぇ楽しいわ
ちょっとだけ勇気を出して
遠回しに
気づいてくれるかな
今気づかなくても
いつか
気づいてくれるといいな
真飛
っ...!
真飛
僕もすっごく楽しいよ
にこっと笑った
真飛の笑顔
太陽のように輝いて見えた
夕日に照らされた真飛のあの顔
今では俺の宝物