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入った部屋はガランとしていた。

その空間にベッドがポツンとあった。

ベッドの横には花瓶があったが空っぽ。

赤城 柚杏

どーそ。ここに座っていいですよ。

蒼田 直輝(なおきり)

あ。ありがとうございます!

ゆあんくんがベッドに入りながら僕の分の椅子よういしてくれた。

その病室には僕とゆあんくんの呼吸の音だけが聞こえていた。

気まずい。ゆあんくんも思っているのだろうか。

そんな中先に口を開いたのはゆあんくんだった。

赤城 柚杏

あの。

蒼田 直輝(なおきり)

はい

赤城 柚杏

なんで俺に声掛けたんですか、?

ゆあんくんはずっと下を向いていたので顔が見えなかった。だが少し声が揺れていた。

蒼田 直輝(なおきり)

なんででしょうね。

蒼田 直輝(なおきり)

分かりません

僕の本能がそうさせた。 声を掛けることが今の僕のやるべきことだった、

赤城 柚杏

俺といていい事はないですよ。

赤城 柚杏

ポロッ

短くそういったゆあんくんの足に1粒の雫がこぼれ落ちた。

蒼田 直輝(なおきり)

え、!ゆあんくん。!?

赤城 柚杏

俺なんか……俺なんか……(((((ポロ

蒼田 直輝(なおきり)

何故そう思うんです?

慰めはしない。というより慰め方が分からないと言った方がいいのだろうか。

赤城 柚杏

だって……

蒼田 直輝(なおきり)

……?

赤城 柚杏

やっぱりなんでもありません。

蒼田 直輝(なおきり)

え、?

蒼田 直輝(なおきり)

そうですか

なにか言いかけたゆあんくんはそのまま窓の外を見ていた。

遥か遠くを見ているように見えた。

赤城 柚杏

天国ってどんなところなんでしょう。

蒼田 直輝(なおきり)

てんごく?

突然不思議なことを言うゆあんくんに僕は確認の一言を言った。

赤城 柚杏

天国。

赤城 柚杏

綺麗なのかな

蒼田 直輝(なおきり)

急にどうしたんですか?

縁起でもないことを言うな。そう思いながら質問をしてみた。

赤城 柚杏

どうせ死ぬなら天国に行きたいじゃないですか

蒼田 直輝(なおきり)

しぬ?

赤城 柚杏

あー、言ってませんでしたね。

赤城 柚杏

俺持ってあと半年なんです。

外をじっと眺めて、まるで他人事の様だ。

蒼田 直輝(なおきり)

え?半年……?

赤城 柚杏

はい。そうですよ

だけどゆあんくんが嘘を言ってるようには見えなかった。

赤城 柚杏

俺小さい時からこの病院に居るんです。

あと半年の命なのに怖くないのだろうか

蒼田 直輝(なおきり)

死ぬって……怖くないんですか?

赤城 柚杏

怖い…?

赤城 柚杏

そんなことないですよ。

赤城 柚杏

逆に楽しみですね。

蒼田 直輝(なおきり)

楽しみ?

僕がおかしいのだろうかと思うくらい 当たり前と言った顔でこちらを見る

僕だったらきっと。自分で命を絶つだろう。

蒼田 直輝(なおきり)

ゆあんくんは早く死にたいですか?

赤城 柚杏

はい、そうですね。

僕が質問するとゆあんくんはなんの躊躇いもなく相槌を打った。

そしてまた窓の外を見つめる

♡100 NEXT……

僕の花が枯れるまでの話

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