死なないで
これは君が に
最後に残した言葉
涙を流してそう言った君は
次の日 の前から
姿を消した
ずっと体調が悪くて
病院に行くことになった
診察室に呼ばれて入って
検査結果を聞く時
何故か先生の顔は暗かった
青柳さん
ここでは精密な検査が出来ないので
大学病院を紹介します
しっかりと検査してください
蒼
何かあったって言うことですか?
、、、、
貴方の体には悪性の癌が
広がっています
おそらくステージIVかと
理解が追いつかない
蒼
え、
蒼
僕は死ぬかもしれないですか?
しっかりと確認できてないので
なんとも言えませんが
おそらく手術は無理かと
その言葉を聞いた瞬間
僕の目から
涙が零れ落ちた
その後どうやって
家に帰ったか分からない
いつの間にか真っ暗な
リビングに座っていた
桃
蒼ー?
桃
ただいまー
蒼
、、、おかえりニコッ
最愛の桃くん
彼を残して逝くことは
とても辛い
桃
蒼?なんかあった?
蒼
うんん
蒼
なんもないよ
蒼
ちょっとぼーっとしてた
桃
そう?
桃
ご飯食べれそう?
蒼
んー今日はいいや
蒼
なんか疲れちゃって
桃
そっか、なら風呂入って
桃
早く寝なよ
蒼
うん
蒼
ありがと
風呂から上がり
ベッドに潜り込む
蒼
ふぅー
泣くまいと堪えていた
涙はついに顎まで
流れ落ちてしまった
蒼
フッ、、、ポロポロ
蒼
死にたくないよ、、、
桃くんに聞こえないよう
そっと涙を流し
零れ落ちるかのように
漏れてしまった感情も
見ない事にした
大学病院での
検査の結果を聞く時がやってきた
青柳さんの体には
手術では不可能な量の
悪性腫瘍が見られます
放射線治療で小さくする事が
出来るかもしれません
ただ失敗すると青柳さんの
体では次の治療ということが
できない可能性があります
誰かご家族とお話はしましたか?
蒼
同棲中の彼氏には言おうかと思います
蒼
両親は早くに亡くなったので
わかりました
今から話しますか?
蒼
、、、そうします
詳しい事を話したいので
ここに呼んでください
蒼
はい
桃くんは電話をかけて
大学病院に来てと言うと
すぐに行くと言って
電話を切った
青柳さんのご家族様
お見えになられたのでお通しします
桃
蒼!
桃
何があったの?
えっと、桃さん
落ち着いてください
詳しくは私の方から
話させてもらいますね
桃
はい
先生と桃くんが話しているのを
僕はただ見つめていた
話を聞き終わった桃くんの
第一声は
桃
蒼には生きて欲しい
桃
でも、俺のせいで無理に治療したい
桃
とかは言わないで欲しい
桃
俺は蒼の意思を尊重するよ
蒼
、、、
今無理に決めなくても大丈夫です
家でよく相談してまた明日
こちらに来てください
桃
はい、わかりました
そう言って桃くんは
僕の肩を抱いて
診察室を出た
桃
蒼
蒼
なに、、?
桃
なんで黙ってたの?
桃
体調ずっと悪かったんだよね?
蒼
、、、うん
桃
早く言って欲しかった
桃
そしたら蒼は
桃
蒼の体は、、、
桃
ごめん、ちょっと外の空気吸ってくる
桃
落ち着いて話せそうにない
蒼
わかった
桃くんが混乱してるのは
帰ってる途中でもわかった
でも何も言わずに
ただ僕の肩を抱いてくれた
だから今は僕が
桃くんの事を支えたい
桃
蒼、ごめん
桃
ゆっくり話してもいい?
蒼
うん
蒼
桃くんのペースでいいから
桃
ありがと、、、
桃
俺は蒼に生きて欲しいよ
桃
だから治療をして欲しい
桃
どれだけかかってもいいから
桃
お願いだから
蒼
ねぇ、桃くん
蒼
僕ねウェディングドレス着たいの
桃
へ?
蒼
治療するとさ、髪抜けたり
蒼
今の僕で居られないからさ、
蒼
治療する前にウェディングドレス着たい
蒼
そうしたら頑張れるから
蒼
お願い
蒼
桃くんと結婚式がしたい
桃
、、、わかったニコッ
桃
今から病院に連絡してくる
桃
治療まで少し待って欲しいって
蒼
うん
僕は治療することに決めた







