僕らの朝は賑やかだ.其れはもう,色んな意味で.食料は朝,とっても早い時間に余裕がある僕か弦月が買いに行く.そうすれば基本,任務帰りの祓魔師と出会う.僕は基本魔の気の方が強いから,言い伝えを知らない子達だと斬りかかってこようとする.其れを知ってる子達が咎める.そして謝られる.其れが日常.もう人間だった頃の日常とはかけ離れてしまったが,これはこれで楽しいので皆今の生活を満喫している. 其れと同時に景が朝弱くて良かった,と思った. 元,とは言っても同業者.彼の意識がある時に自分の後輩になったかも知れない子達に斬られるのはとても嫌だろう.もう1人の“けい”にとってはどうでも良い事何だろうけど, 僕も,そんな事は無いと思うが,同業者にやられると少し悲しい. ちなみに僕は僕で魔が色濃く出る日が結構あるのでそんな時は景の世wa…相手含め全て藤士郎に任せているのだが, しかも色濃く出ていない日も魔が常時混じっているので,言葉の発音が少し難しい. 喋り方でバレる事はまぁ…無いだろうが,まぁバレた時はバレた時だろう. 朝市は意外と安い.家に貯めてあった金を使っても,まだ残っている. まぁ藤士郎が内職をしているのは知っているが, なんて事を考えていたら市場に着いてしまった. 取り敢えず頼まれている分を買って家に帰る. [あレ,今日は祓魔師サン居ないンだ,まぁ動きやすくテ良いけドね.] 毎日のように居る祓魔師が今日は居ない.其れなら身体強化の術くらいなら使って大丈夫だろう.そう思って,身体強化の術を使って帰路を走った.そうすれば, 『… はるくん? 』 と,何時もはこの時間に起きてないであろう低いけどとても落ち着く声,そしてグチャグチャ,と鳴る音が聞こえて来た. 視覚の情報は過去の自分が見れば,吐きそうになるくらい最悪だったが,今の自分には興奮材料にしかならないソレは,僕が意識だけで抑えている魔を引き出すには充分だった. [あ,けいくん,今日ハ起きてタんだ,デ,ソレどうしタの? ] 『おきて,さんぽしてたらこの人たちがいて,ぼくをきろうとしてきたから,あそんであげただけ.』 [けいくンもボロボロだけド,大丈夫? ] 『きずは大丈夫.けど,景くんがでてきてこのこうけいみたら景くん壊れちゃうかもね,』 なんてきゃらきゃらと笑いながら足で祓魔師だったであろうソレらを踏み潰している景は魔と人間の人格が半々に分かれているから,体自体は人間で,魔の機能の一つである自然治癒が出来ない.なので今も至る所から血を流している. [そうカも知れないネ…今日は景,出て来そウ? ] 『… きょうは出てこないよ,たぶん.あと,とうくんが術あんまりつかうな,だって,ばれてるよ? 』 景の名前を出したらけいくんは不満になったのか,頬を少し膨らまして,あからさまに不機嫌ですよ,という顔になり,ついでに要らない情報を教えて来た. [やべ,其れは怒られソう.けいクん,ちゃンと後片付ケしろよ‼︎ 甲斐田逃ゲるから‼︎] 『…そのままおこられればいいのに.ってあ,』 「何?此の状況…ってあ,晴くん,けい?何してるの? 」 その一言で場が凍りついた.其れはもう,時が止まったように. [ッスーーーー…] 「まずけい?何してたの?」 『…とうくん,あのね,このひとたちが,ぼくをきろうとしたから,あそんであげたの,』 うわけいくん上目遣い使いやがって…可愛いからって何でも許されると思うなよ‼︎ 「ゔっ… うん.けいは言えて偉いね.後でちゃんと手当するから待っててね.で,晴くんは⁇何か言う事あるんじゃない?」 完璧効いてて草 しかもけいくんは頭撫でて貰って嬉しそうだし… やっぱ可愛いって最強じゃね⁇ じゃ無くて, [あの~…えッと…ッスーーーー…術使っテすみませンでしたぁぁぁぁぁ!!!!] 僕は綺麗に土下座を決めた.其れもスライディングで. 地面に擦れて出来た傷は即座に治った.これも殆ど魔に乗っ取られて自然治癒力が圧倒的に高くなったからやった事であり,人間だった頃の僕なら絶対やらなかっただろう. 「術⁇僕はけいがこうなってる理由が晴くん知ってるかなって思って聞いたんだけど⁇」 [は…?] 「…で?晴くん⁇術使ったの⁇」 此れは完全にやらかした.けいくんに騙された. [おイけいくんんんん!!!!騙しタな?!] 『あ,ばれた?かんたんにひっかかるとおもわなかったからつい…』 「晴くん⁇きっっっちり説明してもらうから.」 あーやばい弦月マジおこモードだ…おわた [あ,えっト…そのー…祓魔師サん居なかッたから…大丈夫カなーって思いまシて…] 「で?使ったの?僕戦闘の時以外は極力使うなって言ったはずだけど⁇」 [誠ニ申し訳御座いませんデしたぁぁぁぁ!!!!!!] 本日二度目の土下座.けいくんは藤士郎の後ろでけらけら笑ってる…許さんからなまじで!!! 「まぁ晴くんは後々説教するとして…けい?けいも晴くん騙しちゃ駄目.分かった?」 『… はぁい.』 足痺れてきたが?もうやめて良いよね?げんでゅき?(ぴぇ) 「あ,晴くん立って良いよ.そろそろ寒いし帰ろ?」 [待ッて,足痺れテ立てナい] マジで立てない.ちょ,ま,けいくん??足を突かないで?? [ちょ,けいぃぃぃ!!!!痛いッてぇぇ!!!] 『あははw』 「も~,何してるの,行くよ~?」 おげん??少しくらい僕を助けて??あ,そうじゃない.けいくんを抱っこするんじゃなくて僕を起こして??けいくん凄い喜んでんね??良かったね⁇ 「そんな事言ってないではやく起きな⁇僕とけいは先に行きまーす.」 『まーす.』 [はぁ?‼︎待てヨぉぉぉ!!!] 放っていかれるのは嫌なので気力で立ち上がって追い掛ける.一歩踏み込んだ瞬間一瞬足が硬直したが,お構い無しに走って彼らの元まで行く. 「あ,晴くん来た.晴くんちょっとけいの事抱っこして.血は粗方止まってるけどまだ閉じてない奴もあるからさ,治さないと.」 此れが労働か~(白目)まぁいっか.思いっきり巫山戯てやる. [ハ~い.ばぶちャんおいで~っていッた!!!] 「あ‼︎こら,けい‼︎‼︎」 ばぶちゃんが気に入らなかったらしいけいくんが伸びた爪で僕の首を引っ掻いた. 首から血が噴き出るが,すぐに止まった.自己再生能力が働いたからでもあるが,殆どは弦月が術を此方に向けてくれたお陰だ. そしてけいくんは弦月に怒鳴られた事もあり,ビクリと肩を跳ねさせて僕の肩に顔を埋めた. [けい‼︎晴くんも!駄目でしょ‼︎] 「ゴめんじャんお弦~ 」 [うん.此れは晴くんが100%悪い.でもけいも今のは駄目.やり過ぎだよ?分かった?けい.] 『ぅ…ごめ,なさ…』 待って??何か肩の所湿ってるなって思ったらけいくん泣いてんだけど?!?!あ~!!お弦がけいくん泣かせた~!!!! [ちょ,ま,晴くんうるさい.御免ね,けい.言い過ぎた…] 『ぅ゛ぅ…グス』 「あーあー…そんナに泣いたラほっぺの傷ニ触れて沁みるよ? 」 と,けいくんをあやす様に背中をポンポン,と軽く叩いてやる.服にけいくんの傷口が開いて出てきた血が滲むが,後で洗えば良いので放っておこうと思ったら弦月が急に, [よし,晴くんの服もやばいし僕も治癒用のお札の数やばいから一先ず転送の術使って帰ろ? 晴くんも使ってるし今日くらいは使うよ.] 「ぅ゛… ! 弦…傷抉ラないで… ‼︎ と言うか治癒用のお札まダある… 」 [しーっ.けいも泣いてる姿見られたくないと思うし,そろそろ人が出てくる時間帯だから早く戻った方が良いでしょ? ] 確かに其れもそうだ.現にけいくんは僕の肩に顔を押しつけて声を押し殺して泣いている.でも其の儘だと息吸えなくて過呼吸になるかも知れないし,此の血塗れの状況を見られるのもまずいだろう. 「そうダね.戻ろッか.けいくん~,転送の術使うカら甲斐田に捕まッといてネ~!」 [行くよ〜,えい ! ] けいくんが僕にしっかり捕まったと同時に僕は弦月に捕まった. すると弦月が術を使って僕達を弦月の家の前迄転送させた. 昔は術も唱えないと基本は使えなかったのにな〜,何て何年も前の事を思い出しては,変わっちゃったんだなぁ,と思った. [……くん…るくん……晴くん‼︎ ] 「ぅぉぁああ⁈⁈吃驚シたぁぁ‼︎ 」 [も~!そんな所でつっ立って無いで早く入るよ~ ! ] 「は~い.けいくン,大丈夫?」 『…ん,』 眠そうな声で微かに返事が来たので苦笑しながら僕と藤士郎は家の扉の中に入っていった. ーーーーーーーーーーー 追加設定 ぼくくん 長尾景の負の感情を幼い頃に吸っている=幼い頃から長尾景の中に居る.(本人は気付いて無かった) 長尾より負の感情が表に出やすい. 長尾の気分が悪い日にペェッって変わる.(語彙力)
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!