古川
現場には、血の海が出来ていた
新井
かわいそうに…
そんな言葉しか浮かばない
古川
被害者は、おそらく
中高生の男子
胸部を鋭利な刃物で 切り裂かれ
心臓を一突きに…
新井
新井
新井
新井
部下の新井が声を荒げる
古川
古川
古川
その時はまだ
何も知らなかった
犯人が被害者の同級生だということ
そして
事件の動機すらも
事件から2週間後
「ハートブレイク事件」と名付けられ
世間を怯えさせた事件の 犯人が捕まった
それは
まだ中学生の
少年だった…
新井
カラキ
新井
新井
新井は声を震わせながら 質問する
まだ若い、新米の刑事
彼女には荷が 重い事件かもしれない
古川
古川
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
新井
古川
だが相手は少年
ここは慎重に、 話を聞かないと…
古川
古川
被害者は、潰れた工場跡地で発見された
人目を避けるように
カラキ
カラキ
カラキ
新井
新井
新井
カラキ
カラキ
カラキ
カラキは不思議そうに 首をかしげる
その仕草に
背筋がゾワリと冷えた
新井
新井
人を殺して…
この落ち着きは、なんだ?
古川
古川
古川
カラキ
カラキ
カラキ
新井
古川
古川
カラキ
カラキの表情が明るくなる
カラキ
カラキ
カラキ
心を開き始めたのか
少しずつだが、カラキの口調が変わる
俺はゴクリと唾を 飲み込んだ
古川
古川
古川
古川
カラキ
カラキは無言で頷いた
クロエ
クロエ
カラキ
カラキ
カラキ
俺とクロエは
どこにでも居る、普通の中学生だった
クロエ
クロエ
クロエ
クロエ
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
クロエ
クロエ
クロエ
クロエ
カラキ
カラキ
カラキ
頭をよぎったのは
「誰か」見つけたのかな?
そんな事だった…
予想と違って
秘密基地に居たのは、 クロエ一人だった
カラキ
カラキ
カラキ
正直、期待はずれだった…
クロエは
クロエだけは
俺を理解していると、思っていたから…
クロエ
クロエ
ドサッ
クロエが、持っていたリュックの中身を放り投げる
クロエ
クロエ
クロエ
クロエ
クロエがニヤリと微笑む
カラキ
カラキ
カラキ
クロエ
クロエ
クロエ
カラキ
やっぱり
俺たちは友達だな
そう、思った…
新井
カラキ
カラキ
新井
新井
古川
カラキ
カラキ
カラキ
新井
新井
クロエも『何か』を見ようとしていたのか?
カラキ
カラキ
カラキ
カラキが指先で頭を トントンと叩く
古川
古川
カラキ
淡々と語るカラキを前にして、頭に血が昇る
古川
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
カラキが身振り手振り 説明する
新井の顔からは、だんだんと色が抜けていく
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
新井
新井
新井
新井
今にも泣き出しそうな新井とは対称的に
カラキは無表情のまま、 話を続ける
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
カラキ
新井
古川
気が付くと俺は
カラキに掴みかかっていた
新井
新井
古川
新井
古川
止めに入る新井を突き放す
カラキ
新井の言葉も耳に入らない
ただ、ただ
腹が立って仕方がない
どうして
古川
カラキ
カラキ
古川
どうして、クロエが…
古川
古川
こいつだったら
良かったのに…
俺は
古川
俺なら
こいつの『頭の中』を
見 た か っ た : :
コメント
4件
ヤバイヤバイ
心を見たかった少年と頭の中をみたかった少年と刑事… ゾクゾクしました…! 参加ありがとうございます!