「あだ名」

青はいつもクラスで孤立していた。

しかし、そのことを青が気に病むことは無かった。

青からすればクラスメイト達がしている話の何がそんなに面白いのか 分からなかった

A組のナントカさんがB組のナントカくんをフッた、フラれたでどうの…

青から見るとクラスメイトたちがみんな小学生に見えた。

そんな青には趣味があった。

それは人にあだ名をつけること。

普通の人より独特なあだ名をつけることが地味に楽しかった。

あだ名付けが青のひとつの趣味だった。

また面倒なやつかきたと青は内心げんなりしていた。

こいつの名前は望月桃。

クラスの中心にいる絵に書いたようなイケメン。

最近妙に話しかけてくるのだ。

あえて低い声で素っ気なく返した。

青は本を持ち上げ、強制的に桃を視界からシャットアウトした

『なんだアイツ』

＿月日は流れた。

2人は高校、大学を卒業し社会人となった。

そして高校での出来事が2人の間に「腐れ縁」を結んだ。

2人は晴れて恋人同士となったのだ。

しかしそんな関係は長くは続かなかった。

ある日、青は初めて桃に対して怒りをあらわにした。

もちろん、あの頃考えた「あだ名」などではない。

2人は恋人から夫婦となった‪𓂃 𓈒𓏸