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夜が深く沈むほど、森は音を失っていった。
星明かりすら遮られるほどの濃い霧が立ち込め、月が雲に飲まれてゆく。
陽葵とKanade、そしてKrakenは、焚き火の残り火のそばでひっそりと息を潜めていた。
陽葵
昨夜の昼間からの移動で疲労が溜まり、陽葵はまぶたを重くしながらも周囲を警戒している。
そのとき――。
かすかな足音が、闇の奥から忍び寄ってきた。
湿った土を踏みしめるような、規則的な音。
Kanade
Kanadeは瞬時に立ち上がり、背負っていたクロスボウを構えた。
Kanade
霧の向こうに、影が五つ。
不気味なフードをかぶり、鈍く光る刃物を手にしたカルト信者たちが、森の闇の中から滲み出るように現れた。
カルト
低く響く声。それは祈りのようで、呪いのようでもあった。
陽葵
次の瞬間、信者の一人が叫びとともに突進した。
Kanadeはすぐにトリガーを引く。
クロスボウの矢が相手の腕を貫いた。
カルト
だが、すぐさま別の信者が横から飛びかかる。
Krakenが木の枝を拾って防御したが、弾かれ、背中から倒れ込む。
陽葵
陽葵が駆け寄ろうとするが、後ろから腕を掴まれた。
陽葵
彼女の悲鳴が森に響く。
しかし、信者たちは笑うように囁く。
カルト
その瞬間。
悠翔
森の奥から、鋭い声が響いた。
次の瞬間、木々の間を裂くように矢が放たれ、
爆弾が爆発するような音がした。
Kanade
あらたろは木の棒を振り抜き、信者を一人殴り飛ばす。
Kanadeは手際よく包帯をほどき、そのまま敵の手首に巻きつけて引き倒す。
あらたろ
あらたろ
悠翔は地面から立ち上がり、すぐにクロスボウを再装填した。
陽葵は震える手でランプを掲げ、敵の影を照らす。
暗闇の中、矢が放たれる。
Kanadeが息を切らしながら叫ぶ。
Kanade
悠翔
悠翔の矢が次々と放たれ、陽葵がその後ろでDinoを抱き起こす。
Krakenはあらたろと背中を合わせ、二人で信者たちを押し返した。
あらたろ
最後の一人が逃げ出そうとした瞬間――
悠翔の矢が地面のすぐ手前に突き刺さる。
カルト
信者は立ち止まり、怯えたように森の奥へと消えた。
呼吸の音と、雨のように落ちる木の葉だけが残った。
陽葵がその場に座り込み、震える声で言った。
陽葵
Kanadeは優しく笑った。
Kanade
悠翔は息を整えながら、あらたろに向かってうなずいた。
悠翔
あらたろが笑いながら悠翔の肩を叩く。
あらたろ
悠翔は少し黙ってから、小さく頷いた。