もう、どうやって帰ってきたかなんて忘れた
そんなくらい、ショックだった...
さゆ
あなた、だれ?
まだ頭の中に響き渡ってる
次の日も、さゆのお母さんに言われたので、
さゆのお見舞いに行った
かなと
俺、橘 かなと
さゆ
かなと...?
かなと
うん
かなと
お前の......友達
さゆ
友達...
かなと
改めてよろしく
さゆ
...よろしく!
こうして毎日お見舞いに行って、
前とほとんど変わらない位の仲になった
けど、それと同時に、医者からある告白をされた
『大原 さゆさんは、もう...元の記憶が戻ることは無いでしょう』
かなと
(もう、戻らない...)
つまり、陸上部だった事も
大会の事も
友達も
俺と登校したことすらも
なかったことになったんだ