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路地の入口に立つのは、 蛛の影たち。先頭で薄い笑みを浮かべる団長。彼の視線の先、古いジャズバーを改装した 会員制ラウンジー”夜会”。そこを根城にするのは、 念能力者だけで構成された私設ギルド<黒檸檬>。
クロロ
クロロ
ノブナガ
ノブナガが刀の鍔を鳴らす
シャルナーク
シャルナークが笑ってアンテナを指で弾いた。
シャルナーク
マチ
フェイタン
シズクは無邪気に頷く
シズク
ミユは無言で一歩前へ。白い息を吐き、 指先に黒と白のリボンが絡む。心拍がひとつ跳ねると、 大鎌が静かに“そこに在る”
ミユ
“夜会”の扉は二重結界。表は機械、裏は念。
シャルナーク
シャルナーク
ミユ
ミユは素手で扉の真鍮を撫でる。薄いオーラが紙片の形に滲む
《全部お見通し(See everything)》
ミユ
紙は勝手に走り、みゆの知らない言葉がびっしりと並ぶ。
結界設計 放出系 名前伊庭宗嗣 危険度中 発動条件カメラ視線+心拍同期… 監視念獣 特質系 “金の蝶” 作成者朝霧ルルカ 副作用睡眠発作…
クロロが横目で紙面を流し読み
クロロ
額の刺青が灯り、手帳のページが一枚だけ滑る。
クロロ
ぱちん、と指先で見えない糸を切るみたいに、 空気の圧がひとつ消えた
ミユが囁く
ミユ
フェイタン
フェイタンが首を傾ける
フェイタン
何を言っている君は
ノブナガが笑う
ノブナガ
扉が静かに閉じた瞬間、 廊下の赤い絨毯が“生き物”みたいにうねった。
マチ
マチが糸を張る
次の瞬間、天井から黒い紐が降り、 ロビー全体が蜘蛛の巣みたいに閉じていく。
シャルナーク
シャルナーク
敵
赤い蝶ネクタイの男がカウンターから立つ。 後ろに並ぶのは十数名。皆、オーラの色が違う
敵
ミユ
みゆが一歩。鎌が、鈴を鳴らすみたいに低く鳴った
敵
男──朝霧ルルカが微笑む。
敵
ミユ
みゆの足元から、影がわずかに広がる
クロロ
クロロが言い、空気が裂けた。
絨毯の“紐”が締まる前に、マチの念糸が要所を縫い止める。
マチ
フェイタン
フェイタンの傘がぱんと開き、雨粒みたいな音とともに 三人が血を噴いた。だが敵も黙っていない。
敵
最初に斬った三人は影。背後──冷たい気配。
ノブナガの円がぴたりと膨らむ
鞘走り一閃。首が床に落ちる音より早く、ミユの鎌が横を走る。
ミユ
刃が六つに分かれ、黒白のリボンが空気を編む。
敵の前腕が落ち、肩が裂け、恐怖の匂いが立つ。
吸い込まれていく“闘志”──ミユのオーラが回復していくのが、団員の目にも見えた。
シャルナーク
シャルナークが口笛を吹く
シャルナーク
マチ
あーん結婚しよ
マチ
しっくりくる画像が無かったからこれで許してください🥲
カウンター奥で、ルルカが指を鳴らす。 壁のランプが全部“蝶”に変わった。金の翅がぱらぱらと舞い、 触れた者の瞳から色が抜ける。
クロロ
フェイタン
だが早かったのはミユだ。 彼女は蝶に指をのばし、紙を一枚滑らせる。
ミユ
シズク
シズクがふわ、と瞬きをした瞬間、 マチの念糸がシズクの手首にリングを作る
マチ
シズク
シズク
デメちゃん
金の蝶が吸い込まれ、ランプはただのガラスに戻る
ルルカの笑みが薄れる
敵
ミユ
ミユ
ミユ
クロロ
敵
ルルカの背後、ピアノの影から女が出る。白い手袋
敵
敵
彼女がみゆの鎌に触れた。 刃の鈴が止まる
ミユ
黒い紐が再び床から立ち上がる。首と手首を狙う角度。
ミユ
みゆは刃を“閉じ”、柄だけで床を叩く
ミユ
囁く
足元から、赤黒い水が溢れる。音が消え、香りだけが濃くなる。 紐は闇に触れて“ふやけ”、女の白い手袋も、ルルカの蝶も、 ひとまず姿を失った。
クロロ
クロロが冷静に時間を切る。
ミユ
幹部は六名。
放出系"火走"の男が指を鳴らし、 ロビーの空気が一瞬で高熱に跳ねる。
ノブナガ
ノブナガが袖で顔をかばう。
フェイタン
フェイタンが一歩。年で作られた服が生まれ"、 空気の粒が焦げの匂いを孕む。
フェイタン
フェイタン
火走の膝がふらつく。みゆの鎌がその足首に“軽く”触れる。
敵
小さく笑う
右手から、透明な糸がすっと伸びて火走の足を絡める。
マチ
マチが声を落とし、引き絞るみたいに糸を“結ぶ”。
敵
火走の顔が変わる。
マチ
ノブナガの一刀が、彼の言葉を切った。
反対側。
操作系の女が笑う。
敵
シャルナークの眉がぴくりと動く
シャルナーク
敵
シャルは自分の太ももにアンテナを刺す
シャルナーク
彼の目から温度が消え、次の瞬間には女の携帯が彼の手にあった
敵
シャルナーク
シャルは微笑み、電源を切った。
女の膝が抜ける。
敵
みゆの鎌の“背”がコツンと後頭部を叩いた。静かに落ちる。
クロロ
闇が晴れ、ルルカが戻る。だが彼の前に立つのは、違う彼
クロロがページを捲る
クロロ
ほぼ同じ顔、同じ身振り。けれど翅の角度だけが“本物”を指す
みゆは迷わない。“翅の角度”を切る。 金の粉が花火みたいに散って、ルルカの片手が宙で震えた。
ミユ
敵
ルルカは苦く笑う
敵
クロロ
敵
敵
彼の掌に小さなペンが現れ、空中に文字が走る
シャルナーク
シャルナークが息を呑む。
敵
空中に浮かぶ詩。
子は刃 闇は母 歩めば沈む 止まれば燃える 手を伸ばせば 心は空を裂く ならば——笑え
ミユは詩を見て、一拍だけ目を細める。
ミユ
敵
ルルカがほんの少し、嬉しそうに笑う。
ミユ
みゆの鎌が、詩だけを切り裂いた。文字が紙吹雪になって散る。詩は意味を失い、効果は消える。
クロロ
クロロ
ルルカは肩で笑い、両手を上げた。
敵
敵
ミユ
敵
ミユ
敵
ルルカが団長を見た。
クロロ
敵
ルルカは目で合図し、ホール係やピアニストが 蜘蛛の糸の間を縫って出口へと消える
ロビーに残るのは、意識のある幹部二名と、座り込むルルカ。
フランクリンが一歩前に出る
フランクリン
シズク
ミユ
みゆが紙をもう一枚走らせる
ミユ
シズク
シズクが一歩下がる。
シズク
ミユ
みゆが振り返る
ミユ
クロロは濡れた床に足音をひとつ落として、みゆの前に立った。
クロロ
彼は微笑まない。でも声が柔い
クロロ
ノブナガが笑い、刀を肩に担ぐ。
ノブナガ
シャルナーク
シャルが親指を立てる
マチは短く鼻で笑って、みゆの頬についた血を指で拭った。
マチ
フェイタンが横目でみゆを見て、
フェイタン
ミユ
みゆは短く言い、鎌を消す。黒と白のリボンだけが、 名残みたいに手首に残った。
ルルカが唐突に口を開く
敵
クロロ
敵
クロロ
クロロは静かに首を振る。
クロロ
ルルカは目を伏せ、笑って、そして黙った。
外はまた小雨。 ビルの屋上で、みゆは足をぶら下げて夜景を見ていた。
シャルナーク
シャルナークが隣に座る。
ミユ
シャルナーク
手のひらサイズのホットパックがぽん、と膝に乗った。
ミユ
シャルナーク
ミユ
シャルナーク
みゆは少し考えて
ミユ
シャルナーク
ミユ
シャルナークは目を丸くして、それから笑った
シャルナーク
下で、ノブナガとマチが言い合っている
ノブナガ
マチ
シズクは金の蝶が入ったデメちゃんを撫で
デメちゃん
フランクリンはトラックの荷台を締める。
フェイタンは街のネオンをじっと見ていた。
クロロが屋上に上がってきて、みゆの反対側に腰を下ろす。
クロロ
ミユ
クロロ
クロロ
ミユ
みゆは頬を膨らませて、それから少し笑う。
ミユ
クロロ
風が、リボンを揺らした。 夜会の看板の灯りが消え、歌舞伎町の騒音が遠くなる。 蜘蛛は夜に溶け、心臓は胸の真ん中で静かに脈打った。
──初任務終了
250タップお疲れ様です🥲
これからもどんどん続きを作っていくので 気長くお待ちください(*ᴗˬᴗ)
ミユ
ミユ
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