結月
救世主
として讃えられる日々の中、ノウェは一人そう呟く。
「それでもいいさ。俺はただ、目の前にあるものを守るだけだ」
騎士たちや村人たちに囲まれながら、ノウェはその手に握った剣を高く掲げた。
―――『世界樹の種』の伝説は、こうして幕を閉じたのである。
~終章~
The Star Of Reggae エピローグ
「お帰りなさいませ、マスター。そして初めまして」
扉を開けると、そこには一人の少女がいた。彼女は自らを『世界樹の種』だと名乗った。
「世界を救ってくれてありがとうございます。今の世界があるのはすべて貴方のお陰です」
頭を下げる少女。顔を上げるように促すノウェ。
「いいや、そうじゃない。世界は、俺たちの力で守れたんだよ」
「ふふっ。そうですね。きっと、そうだと思います」
「あのね、ノウェ。お願いがあるんだけど」
「なんだ?」
「もし、いつかまた会えたら、そのときはもっと優しくしてね」
「……わかった」
「うん。約束だよ」
笑顔のまま、彼女は消えていった。
「――
