丸付け

雛子は俺の今の彼女 顔はまぁまぁなんだけど スタイルが残念な60点女。

まぁ課題を見せてくれるとの アッチが上手いから 隙間埋め要員として付き合ってる

雛子には指定席がある 誰も寄り付かない、教授の正面の席。 俺はスマホを持って雛子に近づいた

隣にいたはずの雛子は 1番後ろの席に移動した もちろん俺を避けて。

いつのまにかチャイムが鳴っていた 俺は雛子に向かって軽く舌打ちをし 講義室を後にした

昼休み、食堂で 友人Aと待ち合わせした あいつは15分遅れてやってきた 雄也の彼女、真里を連れて

興味がないわけない 一度告白されて、振ったが 真里とは何度も寝てる いわゆるセフレってやつだ

友人の彼女と そういう関係なのは いつバレるかハラハラして 結構楽しい

その真里にこの話を 聞かせるのはどうなんだろうか

ナイス！ 相変わらず空気が読める奴だ 真里は可愛い顔して頭も良い トータル80点くらいは超えてる

デブスで特別取り柄もない 雄也には勿体ない

真里が席を立った一瞬、 何か身に覚えのある香りがした

それと同時に真里が 不敵な笑みを浮かべたような気がした

俺は雄也に全部任せることにした。 それが間違った判断だと知る由もなく…

雛子は黙り込み タバコに火をつけた

雛子は靴で残骸を地面に 擦り付けた

由依奈は俺を舐めるように見る 頭の先からから爪先の先まで。

由依奈に呼ばれて 中庭に来てみたが 夜の12時だ、誰もいない

　なんで雛子がここにいるのかは 全く見当がつかないが、 別にそんなに広い中庭じゃないから とてつもなく気まずかった

急に雛子が口を開いた

背中がゾクゾクした 冷や汗も出てきそうな勢いだ

食い気味にかかってくる 雛子の表情は 至って冷静だった

そう、俺は彼女の雛子に 金を借りていた 原因は、表向きは株への投資 実際はパチンコやら競輪だ

最近由依奈と仲良くしてるのは あいつの実家が金持ちだからだ。 由依奈自身はコネ入学だから 相当頭が悪い

雛子が話し合えると同時に 由依奈がドアを開け 中庭に入ってきた

俺は雛子が今から しようとしてることが なんとなくわかった気がした

俺は生唾を飲む

雛子は由依奈の存在など 無視して話し続ける

裏庭の入り口から雄也が現れた ボロボロになった真里をつれて。

そういうと、入ってきたドアの 鍵をかけた

雄也も、雛子と同じく 由依奈の存在を無視する

真里がピクッ、と動き ぶつぶつ何か言い始めた

そういうと雄也は 真里の腹に蹴りを入れた

さっきまで突っ込んできた由依奈も 自分の置かれている状況が わかったのか、虚な顔をして 黙って蹲み込んだ

そう言うと雛子はなにかの液体を 裏庭の半分に撒き始めた

雛子は液体を撒き終わると タバコに火をつけ、フカし始めた

由依奈は出口に向かって 走り出した

その瞬間

雛子は高笑いをあげ タバコを由依奈の足元目がけ 投げつけた

その瞬間から 大きな絶望と痛み そして後悔に飲み込まれた俺は

真っ赤に燃え上がりながらも こちらに向かってくる 由依奈を最後に目を閉じた

朝日が登ったキャンパスに 消防車と救急車の サイレンが響いている

中庭に転がる 真っ黒焦げな男女3人

昨晩起きた事件に 興味津々の野次馬、学生達

それを止めようと足掻く 教諭、教授達

いつものように なにも見てないかのように 生活する学生も見られる

救急車のサイレンが 再び響いた