赤
桃
赤
沈黙の日々。
俺はこれからどう生きていこう。
桃くんも学校に行けなくなって、
俺はもう吹っ切れた。
ご飯も、トイレも行かず、
ただ寝ていた。
桃
赤
声を出す元気もない。
俺は、弟を殺めたと同様。
人殺しなんだから、
桃
桃くんは俺の腕を掴み、引きずる。
赤
声を張れたのは久しぶりだ。 しかし桃くんは黙って引っ張る。
連れて来られたのは外だった。
桃くんは俺を嘲笑う。
桃
桃
赤
この時の兄の行動が無かったら。
俺は死んでいたかもしれない。
数十年後。
俺は体調が回復し、
桃くんとは仲良くやっている。
母は出て行ったきり、
父の位置情報もなにもわからない。
桃
赤
桃
おとうさん、しんぱいしないでね。
おれ、しあわせだから。
赤
桃
慣れない人混み。
東京の街。
大きなビル。
ここに引越したのは兄の意思。
すれ違う人々、
泣き喚く子供の声。
怒鳴り散らかす人の声。
ツボにハマってる女子高生。
ふわっ、と黄土色の髪が目の前でなびいた。
赤
黄
すれ違った人々の中で、
遥かに目立った髪色は
確かに彼だった。
end___
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