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犬井

取り柄のないクズだって…

犬井

生きてていいだろが…

君は…

アンタは人間じゃないっ!

もっと女らしくしろっ!

自分の両親にがっかりされたことは あるかい?

あなたは女の子なのよ…

あなたは異常なの…

ちゃんと性別を持っていない。

他の子はみんな特別なのよ。

特別にゃなれないとある日突然 気づいたのかい?

クラスメイト

犬井ちゃんって、女の子だよねぇ

犬井

うん…

クラスメイト

男の子みたいな喋り方するよねぇ

犬井

うん…

クラスメイト

きもいんだよねぇ…

犬井

うん…

何回も言ってるじゃない…

期待するだけ無駄なの。

生まれてきた時から…

あなたの人生は終了したの…

犬井

うん…。

何を期待していたんだろう。

馬鹿馬鹿しいと思わないか?

好きでこの身体に生まれてきたわけじゃない…

嫌だ。

でも生きているから仕方ないんだ。

鏡に写る自分をみて…

何度も吐き気がした。

でも仕方がなかった…。

死にたい…。

犬井

〜♪

クラスメイト

うっわ、犬井が歌ってる〜

犬井

っ!?

クラスメイト

歌はうまいと思うよー?

クラスメイト

でもさぁ…

クラスメイト

クラスメイト

自分の歌声…聞こえるでしょ?

クラスメイト

女の子みたいだよねぇ

犬井

……っ…

クラスメイト

いや、女の子なんだけどねぇ

クラスメイト

歌はうまいのにねぇ…

クラスメイト

もったいないよねぇ…

才能なんて幻想だ…

俺はそれを高校生の時に知る…。

大好きな歌を歌っても…

やっぱり俺は俺じゃない…。

でも…

歌いたかった。

6年後。

ネットで歌を歌い始めた。

俺の本当の性別を知る人は誰もいない…

女の子…

それが周りからみた俺の性別。

もう諦めていたんだ。

なのに…っ

森田

君、格好いい声してるよねっ

犬井

え………?

森田

俺のグループ入ろうよ!

その人だけは…

俺を認めてくれた。

森田

お前は男だよ…。

犬井

うんっ……

そして俺達は有名なった。

まだちゃんとした性別を世間に明かさないまま…

俺は人気になっていった。

犬井

俺…ちゃんとみんなに言いたい。

根津

え…?

根津

性別のこと…?

犬井

うん。

犬井

応援してくれてる皆がいるんだ…

犬井

こんな俺でも、応援してくれるって人…

犬井

そんな人と一緒に未来に進みたいから!

根津

犬井…

根津

根津

がんば…

犬井

俺は…性同一性障害の男の子…。

そう世間に知れ渡ってから…

心が軽くなった。

でもやっぱり…

えぇ…性別詐欺って流行ってるよね…

きもい

それで離れていく人はたくさんいた。

森田

犬井は…今本当に信じてくれてる人だけの為に…

森田

歌を歌えばいいんだよ。

犬井くんは女の子だよ。

犬井くんは男の子です。

性同一性障害って…

結局どっちなんだろう…。

男の子だ…とは言った。

だけどそれは、自分の考えてるただの 幻想…

そうかもしれないし…

俺は…

犬井

俺はここにいてもいいんですか。

根津

当たり前じゃん…っ

根津

犬井じゃなきゃ駄目なんだから…

涙がこぼれた。

温かい涙だった。

犬井

その台詞…

犬井

カワイイ女の子に言われたかったんだけど…

根津

えぇ…

根津は抱きしめてくれた。

やっぱり温かくて…

骨が折れるまで抱きしめて欲しい…

大袈裟に言うとそんな気持ちだった。

こんな俺でもいいんだって…

男か女かわかんないなら…

俺は男だ。

本当は女なら…

人を騙し騙しで…

自分を笑ってやろう…

そう思ったんだ。

森田

どんなクズでも…生きてていいんだよ。

涙がこぼれて…

犬井

あいうぉんちゅ…

犬井

えへへ…

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