アイドルを目指す者

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これは罰。

母さんの言うことを聞かなかったから

だから罰を受け入れないと。

これが終わるまで部屋から 出ては行けない

家に帰ってきた瞬間 殴られ暴言を吐かれ

部屋に閉じ込められた

一応食事を与えられたが 口に入れた瞬間気持ち悪くなった

目の前にある課題に取り組まないと いけないのに

視界がぐるぐると歪んで 上手くペンを持つことが出来ない

でもこれを終わらせて部屋から出て 母さんにきちんと話せば

理解してもらえるかもしれない。

どんどんっ、！！

突然何かを叩く音が聞こえた

でも扉を叩く音とは違う

窓からしたような、

ゆっくりと窓に近づき、 カーテンを勢いよく開けた

ここは2階だ

しかも紫ーくんの家から距離がある

だからいるわけない

なのに、どうして

もしかして幻覚かもしれない

窓を開けてみると大好きな人の声がした

とりあえず、俺たちは身支度を整えた

明らかに元気の無くなった赤くん

でもどうすることも出来ない

住所は書類に書いてあるから 行こうと思えば行ける

だが、赤くんに止められた以上 桃くんの家に行くのは難しい

桃くん。 そのワードを聞いて また苦しそうにしている

待っててね桃くん

強い味方が出来たから

紫ーくんがお仕事の方に連絡をして 少し時間を遅らせてもらった

桃くんを連れて戻せると信じている

なんとしてでも桃くんを助けるんだ

2階の方を見上げている赤くん

きっとあそこが桃くんの部屋なんだろう

インターホンを鳴らす

綺麗な女の人か現れた

桃くんに似て、容姿が整っている

でもその裏で桃くんを傷つけている のかもしれない

2人が家の中に入って行くのを確認して 俺たちは動き出した

水道管を掴み、 なんとか上を目指す

あともう少しで桃くんの部屋に届く

落ちても大丈夫なように 下で2人が手を広げて構えている

見慣れたカーテンの色をした部屋

その窓を叩き割る勢いで 思いっきり叩いた

当たり前だが、窓はビクともしない

やはり俺の力では割れない

もう一度叩こうとした時、 カーテンが勢いよく開いた

そして桃くんが立っていた

よかった、生きてた

まさか登ってきたのか、？

でも2階でまぁまぁ高いのに

頬を触ってみると本物だ

下を見ると来い！という感じで 橙くんが両手を広げていた

また助けてくれる

俺のことを

嬉しくて飛び降りる怖さが 無くなったみたいだ

俺は橙くん目掛けて窓から飛び降りた

いつの間にちゃん呼びするように なったんだろう

ちゃん呼び俺だけだったのに

家から黄くんと紫ーくんが出てきた

まさか、親と話した？

でも2人は無傷、よかった

さっきまで張り詰めていた糸が 切れたように、涙が溢れてきた

赤も泣いていた

そしてそっと抱きしめてくれた

さっき叩かれた頬がまだ少し赤い

三つ編み姿の赤もかわいい、

スタジオニ着き、青くんと黄くんが 素早く俺の身支度を整えてくれた

さすがプロだ、

綺麗にして貰えた

ああ、やっぱりアイドルを目指すの 諦めなくてよかった

こんなに笑ったの久しぶりかも

それに赤も楽しそう

俺もいますっごく楽しいし

まだ恐怖も不安も消えたわけ じゃないけど

まだみんなと居た方が落ち着く

次回、生活編