それは、こんこんと雨降る日、春村 時雨は雨の能力持ちとして生まれた。
幼い時雨
ゲホッゲホッ!!
時雨の母
せっかくの家族でピクニックだけど、今日は中止ね。
時雨の母
外には出ず、安静にしてなよ?
幼い時雨
分かってるよママ…
時雨の母
可哀想に、ごめんね、
親も友達も医者も、みんな俺の能力を可哀想に思った。
そのころ大好きだったおにごっこも、ボール遊びも、
ダチに感染ると危ねえからってほとんどしたことない。
いつも閉じこもっている静かな部屋に聞こえるのは、
外から聞こえる雨音と俺の咳。
こんな能力ならいらねえやと思っていた。
ある日たまたま能力者が人を助けるというテレビを見た。
かっこよかった。俺も、ひょっとしたらこんな俺でもなれるのかもしれないと思った。
氷室 れい
…それから彼は辛い努力をして、強くなったんだ。
火花 灯
そーだったんだ…ていうかよくそんなこと知ってるね、
氷室 れい
僕は優しい人が好きなんだ。
氷室 れい
だから、そんな子のことは何でも知りたいだけさ。
春村 時雨
てめえよ、勝った気になってんじゃねえぞ、ゲホッゲホッゲホッ!!!!!
乙黒 飛烏
黒針が刺さらない!?
春村 時雨
俺の能力、驟雨(しゅうう)で自身を守ったんだよ、
春村 時雨
まあすぐ能力は消えるけどな、ゲホッ!!
春村 時雨
そしてそれだけじゃねえ、俺は今最低体温になった、
春村 時雨
それで作った雨を全部お前に、ぶち込む!!!!!
乙黒 飛烏
まさか、
春村 時雨
雨使技・雫(しずく)!!!!!!