傘が手から落ちた
待って、待って
君
行かないで
声が
出ない。
私はその場に膝から崩れ落ちた。
君は何も言わずに去っていった。
地面に雨粒が打ち付ける音が、
頭の中で大きく響いていた
お母さん
雨音
今日は【君】に告白する日なのに!
寝坊するなんて……
夜中まで服選びしてたからかな?
お母さん
雨音
お母さん
雨音
今日行くところは遊園地。
【君】に頼み込んで連れて行ってもらう。
結構動くかもだからスカートはやめた。
鏡の前に立つ。
雨音
私、結構決まってるんじゃない?
雨音
雨音
私は覚悟をして、待ち合わせ場所に向かった。
コンビニの前
うーん、快晴!
青空がとても清々しい。
雨音
雨音
バッグからスマホを取りだそうとした時。
首元にひやっと冷たいものが当たった。
雨音
後ろを向くと、 【君】がにやにやして立っていた。
雨音
君
雨音
君
雨音
君
雨音
わ、忘れてた……
君
しっかり水分補給できるようにしないと。
雨音
君
冷たい麦茶が渡される。
さっきのひやっとしたものはこれだったのか……
雨音
やっぱ、【君】が好きだ。 この人が初恋の人で良かった。
そういうの優しさがとても好き。
雨音
君
行くぞ!
雨音
雨音
思った以上にこの遊園地は大きいみたいだ。
君
雨音
君
雨音
君
雨音
君
雨音
…………
………
……
…
.
あぁ、
楽しい。
遊園地も、もちろんそうだけど
【君】と一緒にいれるから 楽しいんだ。
……
いつまでもこの時間(とき)が
続けばいいのにな━━━━━━━
お母さん
お母さん
雨音
お母さん
雨音
雨音
お母さん
雨音
雨音
お母さん
雨音
画面に水滴が落ちる。
雨音
雨音
雨音
君
雨音
【君】は黙ったまま。
雨音
君
紺色の傘を私に渡す。
雨音
君
君
あ……
【君】には好きな人がいるんだ……
やだ、やだ、やだ、やだよ……
雨音
君
ただの幼なじみってことだよね? 【君】にはそう映ってるんだよね?
雨音
雨音
雨音
君
【君】はぼそっとつぶやいた。
君
傘が手から落ちた。
待って、待って
君
行かないで
声が出ない
私はその場に膝から崩れ落ちた。
君は何も言わずに去っていった。
地面に雨粒が打ち付ける音だけが、
頭の中で大きく響いていた。
そう、
全部知っていたんだ。
君にはもう大切な人が、 いることも。
それでも、【君】のことが好きで好きで
たまらなくて。
さようなら。初恋の人。
ありがとう、初恋を。