僕は生まれたときから体が弱かった。
何度も入退院を繰り返した。
その度に親に迷惑かけて、
ほんとに親不孝だよ。
そんな僕にも幼なじみがいたんだ。
一つ上の男の子でね。
桃色の桜のような綺麗な髪に、吸い込まれるような深くて美しい藍色の瞳。
その頃は僕より身長が小さくて可愛かった。
元気になったから海外に引っ越して家族と暮らすってこの病院を出てっちゃったんだ。
名前は____
もう忘れちゃったな、
きっと今は元気に暮らしてるよ。
深夜に少し胸が苦しくなって目を覚ました。
久しぶりのことで目が冴えて、再び寝ることは難しかった。
ちょうど満月の夜。
月の光が寂しい病室に道をつくるように差し込む。
そのまま目を瞑って寝転んでると窓が開く音がした。
起き上がってそこを見てみると空いた窓があるだけで
寂しそうに桜が少し揺れてるだけだった。
それにここは六階、誰も窓からなんて入って来れないだろう。
独り言を静かに呟く
反対側に目を向けると、
僕よりうんと背が高くて、黒っぽいコートでフードを深く被った男、の子?
足が透けてる、
この子は人間じゃない、直感でそう思った。
不思議と怖くはなくて
低く、優しい声は
どこか、懐かしい気がした
手には大きな鎌を持っている彼を
月明かりだけがスポットライトのように照らす
死神なんて絵本でしかみたことない。
なんて淡々と喋る死神に少しイライラする
無意識に声を荒らげてしまった僕の言葉に
フードの中で彼が息を飲むのが分かった
なんでこんなに怒っているのか、自分にもよく分からなかった
そう強がったけど、死ぬのは怖い
いつの間にか強く握っていたシーツを離す
彼は小さく咳払いをして話を続けた
またまた、絵本みたいなことを…
焦ってオドオドしてる死神さんを見るとなんだか笑えてくる
にっこり笑ってみせると
頬が少し赤く染って、彼がなにか呟いた気がした
その後、彼と話を続けた
ほんとに僕が寝るまでずっと隣で、嫌な顔もしないで話を聞いてくれてた
目が覚めたときはもう朝で、死神さんはいなかった
その日も、その次の日も彼は僕に会いに来てくれた
それから僕は夜が楽しみで、
君が来るたび、胸が高まるんだ
あっという間に三十日間の半分を切ってしまった
まだまだ死神さんと話していたいのに
最近は体調が優れない
そろそろだと実感した
フワッ…
笑顔でお出迎えすると
彼も最初と会った時のような冷たく淡々とした声じゃなくて
優しく、嬉しそうに返事をしてくれる
そう言って優しく声をかけてくれる死神さんを見ると
気が狂うんだ
どこか懐かしくて、胸が苦しくなる
軽く答える彼に少しびっくりした
頷いて答える
と、体がいつの間にか宙に浮いて星が輝く夜空が視界に広がる
300タップ超えましたッ!
読んでくださりありがとうございます…🙇♂️💞
無言ブクマ🙅🏻×
次回もお楽しみに!
コメント
5件
ブクマ失礼します.ᐟ.ᐟ.ᐟ
ブクマ失礼します!
めちゃくちゃ好き、!! 続きも楽しみ…!!🥰