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暑いね…

うなだれたように君が呟いた

そうだね

溶けちゃいそう

冗談を言ってみると

……そうかもね

薄く笑って君が返した

カフェでも行こう?

涼しいし

君の提案

暑いし

別にいいか

うん、行こう

君の手を握って歩き出した

僕は

君の

恋人

やっぱり、別れない?

付き合って半年

君に言われた

どうして?

浜辺から

波の音が聞こえた

寄せては返す音に

切なさが混じった

重いのよ…

毎朝LINEで「愛してる?」って聞いたりとか

スケジュール把握したがる所とか

中学の頃の後輩に嫉妬だってしてたじゃない!

畳み掛けるように言う彼女

絶句してしまった

ご、ごめ…ん

治す…から……

潮風が頬を撫でて

二人の髪を揺らした

……ごめんなさい

さよなら……

歩きにくいはずの砂浜を

ずんずんと歩いて

君は去ってしまった

僕は

君の

元彼

カシャッ

カシャッ

乾いた音が鳴る

同じ方向から

何度も写真を撮った

君と別れてから

写真に熱中するようになった

どうもこっちを見てくれない…

僕が指名したモデルは

なかなかレンズを見てくれない

それに

いつも斜め後ろからの 写真が多くて

思うように撮れないんだ

また、こっちを向いて くれないかなぁ……

あの時みたいに

僕は今日も

部屋の壁に写真を貼る

……そう

君の写真を

応答なし

応答なし

応答なし

応答なし

応答なし

応答なし

今日も出ないのか……

薄く笑みがこぼれた

僕は

君の

ストーカー

あああああああああ

ああああああああああああああ

あああああああああああああああああ

君を独り占めしたい

君は僕のモノ

僕のモノ

僕のモノ

僕のモノ

僕のモノ

僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ

……なによ、急に

会いたい、って…

早く済ませてよね

不満気に言う君

久しぶりだね……

これから君は…

僕のモノ…!!

僕のモノ…

は?

僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ僕のモノ

はぁっ?!?!

怯えるように佇む君が

僕の前に見えた

最初から君は

僕のモノだったんだよ…

それなのに君は

どうして離れていったの…?

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

どうして!!!

どうして離れていったんだよ!!

君は!!!

お前は!!!!!!!

いつまでも僕のモノだったんだよ!!!!!!!

それなのに!!!!!

お前は何も気づかない!!!!!

僕の愛も!!!

声も!!!!

優しさも!!!!!!

全部お前に尽くしたはずだ!!!!

そんなお前は!!!!!

僕のものになって!!!

当たり前だろ?!!!!!

叫び声が響く

インターフォンが鳴った

近所に聞こえて当たり前だ

心配になって近所の人が 訪ねてきたのだろう

あぁ…そうか…

もう…終わらせなきゃね…

……インターフォン

出てくるね…

逃げようと玄関へ向かう君

逃げるなんて

許すわけ無いだろ?

君を逃したら

僕が僕を許さない

…………

君の腕を掴んだ

今にも悲鳴を上げそうな

そんな表情だった

…逃げるとか

許さないから

君は

僕のモノ

隠していたナイフを振り被って

君を刺した

胸の辺りを

深く

突き刺した

これで……

一緒ダネ…?

僕は

君の

殺し屋

………はい?

置き去りにしていた

インターフォンの主

玄関を開けた

隣人

……あの

なんですか?

笑って対応した

人を殺害したあとなのにね

隣人

怒鳴り声がしたんですけど…

隣人

大丈夫ですか?

僕がやったと思ったのか

少し怯えるように見えた

大丈夫ですよ

ちょっとした喧嘩ですから。

ニッコリと笑ってみせると

隣人

……そうですか

隣人

失礼しました

そそくさと去っていった

…………

次は

君の番かな

この作品はいかがでしたか?

4,650

コメント

63

ユーザー

めっちゃ面白いw

ユーザー

怖いなぁ、恐怖☆

ユーザー

読んでてびっくりしました。 僕も話を書こうと思ってるのですが、コツとかあったりしますか?

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