僕らだけに、みせて

僕ら4人は幼馴染で小中高一緒だった

ルクとは、中々同じクラスになれなくて

まぁクラス替えってそんなもんだしって 気にしたことなかった

その内僕は新しくできた友達、 ガッくんと一緒にいる事が多くなって

叶くんと葛葉も常に一緒にいて 4人で一緒にいる事は中学までなかった

高校に入った頃

初めて、4人同じクラスになった

教室の扉を開けると3人はまだいなくて

3人とは、特にルクとはほぼ喋ることはなかったからか、何故か少し緊張してた

少しして廊下から足音がした

誰かが廊下を走ってるようだった

教室の扉が開き、 走っていたのはルクだったと気づく

辺りを見渡し、 僕と目があったかと思うと

漫画だと効果音が付きそうな程 顔を輝かせて、こちらに来て

僕に抱きついてきた

ほのかに甘い香りがした

鼓動が耳元で 鳴っているかのようにうるさい

そう嗜めるも

そうわざとらしく問いかけてみれば

素直に、純粋に嬉しいと返してくる

よく分からない何かに困惑していると 叶くんと葛葉も教室にやって来た

さっき僕にしたように 同じように2人に抱きつく

叶くんは一瞬固まったかと思えば すぐにそう返す

葛葉は固まったままで、耳が少し赤い

よく見れば叶くんもだった

そしてきっと、僕の耳も赤いんだろう

きっとこの時恋というものを初めてした

3人同時に、しかも同じ相手に

同じクラスで生活して 分かったことがある

ルクは誰とでも仲良くなれる 社交的なタイプらしい

今も隣の席の人と喋っている

そして

パーソナルスペースが狭かった

仲良くなれば男女関係なく 後ろから覗き込んだり、抱きついたり

距離感がバグっていた

この3人であれば誰がルクと何しようと距離が近かろうと良いが

他の奴らがルクと 距離が近いのは許せない

ともかく、辞めさせなければ

16歳男子高校生にして159cmと 小柄な身長と女子顔負けの顔立ち

僕らだけならまだしも、誰かれ 構わずやるのは何というか、嫌だ

まぁ、確かに

目が合うと顔を輝かせ、名前を呼ばれ、走ってやって来ては抱きついてくる

何か用があるのかと聞けば 「呼んだだけ！」と去っていく

そんなものがルクにあれば 今頃苦労はしてないだろう

あの完璧みたいな人間に