グリム･リーパー

鈴と会えたのは嬉しい 話せていることも

でも、自分が殺してしまったことは事実だから 昔のように会話することが出来ない

…演技でもしなきゃ、前のように関われない

それに、こんな再会は望んでなかった

「僕が死んだ時みたいだよね！」

鈴のこの言葉がずっと頭の中でループしてる

俺は痺れる体を無理やり動かして、壁によりかかりながら 窓を目指す

窓は鉄格子であかないようになっている 鉄格子の隙間から窓の鍵を開けて窓を開いた

スッと風が吹き込んできた

久しぶりに、外の空気を吸った気がする

忘れたくても忘れられないあの夜空

あの時は俺の明るい未来を吸い取る代わりに 星が強く光り輝いているような気がした

暗い未来しか見えなかった俺を嘲笑うように 光っているようにしか見えなかった

だからだろうか

俺にとってこの綺麗な夜空は

悪い印象しかない

バンッ！！

深夜2時30分

扉を思いっきり開いた音で目が覚めた

扉の先から1人のグリムが早足で俺の元に来た

ここに来てまだ1度も聞いたことの無い声

相変わらず顔は隠されている

眠気が一瞬で冷めた

こいつが…

陽気な声で俺にそう伝えるグリム

だが、その声が全くの別人と疑うほどに グリムの声が変わった

先程よりも低い声、空気が一気に重くなる

背筋に寒気が走った、グリムは俺の右腕をつかみながら言葉を続ける

グリムの俺の腕を掴むての力が強くなっていく

「君を殺しちゃおうって」

グリムの見つめる先には俯いた鈴の姿が

グリムの俺の腕を掴む手の力がまた強くなる

さらに少しづつ捻じるように動かされ あまりの痛さについ、声が出てしまう

足掻いても、体の痺れのせいで力が入らなくて グリムの手はビクともしない

グリムはそう言うと俺の腕をグリンと回した

ボキッ

「もう、いらないよね？」