僕のヒーロー

あれは10年前。僕が小学校一年生になったばかりの頃

僕のお父さんはいわゆるブラック企業の社長だ。ブラックと言っても外ではいい会社を取り繕い、入社した社員を劣悪な仕事環境で働かせ、金を渡して、その事を黙らせ、他会社を倒産に追い込む。

でも、それは完全にバレないわけではなく、僕はそんな男の息子という理由で毎日いじめられ、大人からも軽蔑されていた。

そのせいで母さんは自殺をして、そんな事は気にせず父さんは金だけ僕に渡してまだ仕事を続けている。

そんな父さんを憎まないかって？そりゃ憎んでる。でも僕はもう身内がいないから、生きていくためには父さんに逆らったりできないんだ…

とっても優しい声が聞こえた。すごく落ち着く声

僕は自然に涙が出た。ずっと我慢しなきゃいけないと思ってたから、僕が悪いと思ってたから。

夢だとわかっていた…それでも少し心が軽くなった気がしたんだ

あれから一週間経った。

あの時の優しい声…？でも少し怒ってるような気がする。夢なら覚めないで

僕はその言葉で驚いた。夢じゃ、ない…？

そこからはよく覚えていない。でもあの5人はこんな僕を助けてくれたんだ

あの日聞いた優しい声

少し経った後

この後あの5人に会える事はなかった…。でも今回は夢じゃない。

その日からあの5人は僕のヒーローなんだ❗️

あの後父さんは悪行がバレて逮捕された。僕は昔母さんの知り合いだった人の名義で家を買った…。母さんの残したお金で学校にも通って、今はいじめもおさまっている

まさにあの日は奇跡的な1日だと思う。もしかして、これも全部あの5人のおかげだったりして？