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人間界のとある森。

そこには、古くから伝説で語り継がれている、 7体の悪魔が住まう屋敷があるという噂が囁かれていた。

人々はそれが本当かどうかを証明するために森に足を踏み入れたが、誰1人としてその屋敷を見つけられなかった。

──これは、そんな森奥に住まう悪魔達の物語。

人間

……本当にここか?

人間

おうよ! 絶対に居るんだよ!
この森に悪魔が──

レジア・フローズ

……ばあっ!

レジア・フローズ

早く逃げないと、取って食べちゃうぞ〜!

人間

……うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?

エシェ・エリック

(何やってるんだか……)

森へとやってきた人間を脅かしている暴食の悪魔、レジア・フローズ。傲慢の悪魔、エシェ・エリックは、人間を脅かして遊んでいるレジアをたまたま見かけた。

エシェ・エリック

……おい、レジア。

エシェ・エリック

何やってるんだ?

レジア・フローズ

あ、エシェ!

レジア・フローズ

この人達を脅かして遊んでたんだ〜!

エシェ・エリック

そんなこと見りゃ分かる……。

エシェ・エリック

俺が聞きたいのは、どうしてそんなことして遊んでいるのかっていうことだ。

レジア・フローズ

うーん……

レジア・フローズ

何となく!

レジア・フローズ

というかエシェ、早く帰ろうよ!

レジア・フローズ

私お腹すいて仕方がないんだ〜!

エシェ・エリック

だけどな……。

エシェ・エリック

そいつらの記憶を消去しないまま帰ってどうするんだよ。

エシェ・エリック

そいつらが街に戻って悪魔を見たなんて騒ぎ出したらたまったもんじゃないだろ。

レジア・フローズ

……エシェ、それ言っちゃっていいやつ?

エシェ・エリック

……あ

人間

あ、悪魔……!?

人間

まさかこいつら──

エシェ・エリック

いつもは他の奴らがやってるが……
どうしたもんか……。

アーゼル

……『記憶消去〈アムネシア〉』

ふわっ……

アーゼル

僕が居たからよかったけど、そういうことを人に話しすぎるのはいいことじゃないよ。

エシェ・エリック

堕天使……。

アーゼル

アーゼル。

アーゼル

名前があるんだから、
そう呼んでくれないかい?

背後から現れたのは、地獄で生活する堕天使のアーゼル。 2人の人間に記憶消去の能力を使用し、気絶させた。

レジア・フローズ

アーゼル!

レジア・フローズ

アーゼルが居るっていうことは……あの子達もいるの?

アーゼル

同僚達のことかな?

アーゼル

残念ながら、今日は地獄でお留守番だよ。
お留守番というより説明だけどね。

エシェ・エリック

説明……?

エシェ・エリック

何かあったのか?

アーゼル

……地獄で、ちょっとした問題が発生したんだよ。

アーゼル

幸斗、レジェン、エルサレムの3人を既に地獄に呼んでいて、3人への説明を頼んだんだ。

アーゼル

そして、僕は君達を呼びに来た。

レジア・フローズ

通りで3人とも居ないと思った!
まさか地獄に居たなんて……。

エシェ・エリック

ということは……

エシェ・エリック

俺達は、屋敷に戻って集合したらいいのか?

アーゼル

そういうことだよ。

アーゼル

……僕は、この2人を街に帰してこないといけないから少し遅れるけど。

アーゼル

2人は、泣とローザにこのことを伝えてきて、出来れば連れてくるのもお願いしたいな。

レジア・フローズ

分かった! 連れてくるね!

アーゼル

うん。頼んだよ。

アーゼルは、地面に倒れ込んでいる人間達を担ぐと、 そのままどこかへ行ってしまった。

重たい木製の扉が開かれる。 その先には、あたたかな光で照らされた空間──屋敷のホールがあった。

レジア・フローズ

ただいま〜!

エシェ・エリック

……帰った。

璃小狐 泣

あ、おかえり〜!

ロザーリヤ・ブトーリナ

おか〜。

嫉妬の悪魔、璃小狐 泣(りこきつ なか)。 そして、色欲の悪魔、ロザーリヤ・ブトーリナ。

屋敷の中に、エシェとレジアの探していた2人が居た。 その様子を見るに、世間話でもしていたのだろう。

レジア・フローズ

お腹すいた!!

レジア・フローズ

誰かご飯作って〜!

璃小狐 泣

ご飯?

璃小狐 泣

お腹すいたの?

璃小狐 泣

いつでも作れるよ!!
何食べたい?

エシェ・エリック

違うだろうが……。

エシェ・エリック

堕天使から言われただろ。
地獄まで行くぞ。

エシェ・エリック

飯くらい我慢しろ。

レジア・フローズ

えー!!!

レジア・フローズ

ご飯!! ご飯!!

ロザーリヤ・ブトーリナ

……ん?

ロザーリヤ・ブトーリナ

なに、地獄に来いって言われたの?

エシェ・エリック

あぁ。

エシェ・エリック

堕天使……アーゼルから、大罪の悪魔を今地獄に集めていると聞いたんだ。

エシェ・エリック

幸斗、レジェン、エルサレムの3人は既に地獄に居るらしい。

「ご飯!!」と自身の空腹を必死に訴えるレジアを横目に、 エシェはローザに対して説明をしていた。

璃小狐 泣

よっぽどのことがない限りは僕達全員を集めるなんてこと、しないよね?

璃小狐 泣

何か大変なことがあったのかな……。

エシェ・エリック

それは分からん。

エシェ・エリック

とりあえず、行くぞ。

ロザーリヤ・ブトーリナ

は〜い。

ロザーリヤ・ブトーリナ

ほら、レジアちゃん。
後で泣くんがご飯作ってくれるってよ?

レジア・フローズ

うぅ……お腹すいた……。

エシェ・エリック

はぁ…………。

エシェ・エリック

そんなに言うなら、アーゼルにでも頼んでみるか?

レジア・フローズ

アーゼルってご飯作れるのかな?

レジア・フローズ

あんまりそういうイメージないけど……。

エシェ・エリック

知らん

ロザーリヤ・ブトーリナ

ん〜……。

ロザーリヤ・ブトーリナ

作れても作れなくてもおかしくはない。

璃小狐 泣

どっちも想像できるよね〜。

璃小狐 泣

えっと……レジアちゃん、地獄に行くまで我慢できる?

レジア・フローズ

うん、分かった!

レジア・フローズ

地獄までなら我慢するよ。

レジア・フローズ

だって今すぐ食べたいって言ってもエシェは折れなさそうだし……。

エシェ・エリック

……。

エシェ・エリック

とりあえず、行くぞ。

レジア・フローズ

は〜い!

璃小狐 泣

はぁーい。

ロザーリヤ・ブトーリナ

ん。

4人が森を出て少し歩くと、アーゼルが待機していた。 その足元には青い魔法陣がある。

アーゼル

あ、みんな。

アーゼル

来てくれてありがとう。

アーゼル

……とりあえず説明は後で、魔法陣の中に入ってもらってもいいかな?

アーゼル

地獄では今もきっと大騒ぎだから……。

エシェ・エリック

あぁ、分かった。

エシェ・エリック

ただ……

アーゼル

エシェ・エリック

レジアが腹をすかせている。

エシェ・エリック

地獄に行ったら、何か食べられる物をくれ。

アーゼル

うん、分かった。

アーゼル

君達を急に呼んだ僕の責任でもあるしね。

アーゼル

それじゃあ、地獄に行ったら一旦僕のポケットマネーで何かご馳走しようか。

レジア・フローズ

やったー!!

ご馳走してもらえると聞いて大はしゃぎのレジア。 そういえば、とローザがアーゼルにずっと気になっていたことを質問した。

ロザーリヤ・ブトーリナ

アーゼルくんって料理できるの?

アーゼル

……え、僕?

アーゼル

料理か……あまりしたことないなぁ。

ロザーリヤ・ブトーリナ

へぇ〜。

エシェ・エリック

……時間がないんじゃないのか?

エシェ・エリック

料理ができるできないの話をしている暇はないだろ。

アーゼル

それもそうだね。

アーゼル

それじゃあみんな、こっちに。

5人は地面に描かれている魔法陣の上に立つ。 アーゼルは魔法陣の中央に立つと、目を閉じて何かを唱えた。

すると、魔法陣から現れた青い炎が5人を包み込む。 炎に包まれてはいるが、不思議と熱さや痛みは感じなかった。

そして、視界が徐々に炎の青で染まってゆく。 完全に視界が遮られ、次に目を開けるとそこは──

アーゼル

……よし、問題なく成功したみたいだね。

アーゼル

それじゃあ行こうか。

【参加型】七つの罪の花は今

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コメント

17

ユーザー

ローザちゃん……ローザちゃんだ……?!!?! 文章力とかキャラの動かし方上手すぎて尊敬でしか無いですわ…🙏🙏🙏 ありがとうございます…続きも楽しみにしてます😇

ユーザー

めちゃくちゃ面白いです‼

ユーザー

次回から天使出ますか?

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