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普通

1 - 普通

♥

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2021年09月26日

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普通とは、 「どこにでもあるような、 ありふれたものであること。」 という意味である。

早希

今日のバス、何便目のバス乗る?

杏子

何便目でもいいよ〜

凪沙

どうしようかなぁ…

早希

(優柔不断すぎ…めんどくさ…)

早希

3便目でもいい?

凪沙

いいよ!

杏子

了解〜

私は友達と「普通」の 会話をしてるだけなのに、 よく腹が立ってしまう。 自分でも良くないことだと言うのは 重々承知しているけれど、 中々治らない。 そのせいで、周りから嫌な目で よく見られる。

早希

うわ、最悪…

早希

今日の一時間目、現代文の授業…

杏子

うわぁ、めんどいね‪w‪w

凪沙

絶対寝るやつ‪w

早希

絶対寝るわ‪w‪w

この2人とはクラスも違うし、 学校に着いたら全くと言っていいほど 話さない。なのに、 朝乗るバスが一緒だからという理由だけで 一緒に登校している。

紗良

早希ちゃん!おはよ〜

早希

あ!紗良ちゃん!
おはよ〜!

早希

今日もあの二人ウザくてさぁ

紗良

あー、確かに早希ちゃんの話聞く限り、めっちゃ自分勝手だもんねぇ

早希

そう!
マジで毎朝しんどい!

この子は中一の頃から(現在中3) ずっと一緒のクラスで、ほんとに仲がいい 私の親友。 紗良ちゃんと話している時は、 ほんとに幸せで、楽しくて、 こんなにも良い友達を持てた私は 幸せ者だなぁと思う。

紗良

マジで物理が謎すぎる‪w

早希

それな‪w
ちょっと垂直抗力消してくるわ‪w

紗良

いや地面に埋まるからやめて‪w‪w‪w‪w

紗良ちゃんとの会話が、 私にとっての「普通」の会話。 その他は相手に極力合わせて話すから、 「普通」とは違う会話。 紗良ちゃんとは、素で話せるから 気持ち的にもすごく楽。

千紘

早希ちゃーん帰ろー

早希

OK!準備する〜

もうすぐでバス来るよ?

早希

あー、先行っといてー

わかった、先行っとくね

早希

(てかまだバス来るまで
15分もあるし…)

千紘

私も早く帰りたいから先行っとくね〜

早希

了解〜

早希

(向こうから一緒に帰ろうとか言っとい て結局私は置いてけぼりかよ)

凪沙

あ、桜ちゃんたち先に帰っちゃった…

早希

2人で帰ろっかー

凪沙

そやね〜

千紘ちゃんと桜ちゃんは、 登校する時は私達と別のバスで来るから 一緒に登校はしていない。

元々、私と凪紗ちゃんの2人で 下校していたけど、 桜ちゃんは元々一緒に帰っていた友達が 別の経路で帰ることになってから 私たちと一緒に帰るようになった。

千紘ちゃんは、杏子ちゃんと 一緒に帰っていたけど、 杏子ちゃんが引越しするタイミングで 喧嘩をしてしまって、 今は一緒に帰っていない。 それで私達と今は一緒に帰っている。

杏子ちゃんと千紘ちゃん、 中二までは一緒のバスに乗って 仲良く登校してたのに、 女の友情は怖い。

まぁでも、引越ししたことによって 朝は千紘ちゃんと別のバスに乗ることに なったから、ある意味これ以上関係を こじらせることがないから 良かったのかもしれない。

早希

(てか、そもそもあっちの方から一緒に 帰ろうって行ってきたんだから、
1人で帰ればいいのに…)

早希

あっ!バスもうすぐで着くよ!

凪沙

あっ、ほんとだ…
起こしてくれてありがとう💦

早希

いえいえ!

凪沙

あともうちょっとで電車くるよ!

早希

マジか!走る?

凪沙

走ろ!‪w‪w‪w

家に着いたら、母親が泣いていた。

早希

どうしたの?

ママ

またパパと喧嘩した…

早希

どういう内容?

ママ

ママの診察のスピードが遅すぎるって…

早希

あー、でもさ、面倒臭い患者もいっぱい
いるのは仕方ないし、父親の言うことなんか気にしちゃダメだよ。

ママ

…ありがとう

父と母は昔からすごく仲が悪い。

私が今思い出せるいちばん古い記憶が 目の前で両親が喧嘩している所。 父親は怒鳴り散らして、 母親は俯いて泣いてる。 その光景が目に焼き付いている。

どこからそこケンカが出来る 元気が出てきているのかが知りたいくらい 激しい喧嘩をよく繰り広げている。

早希

もうさ、離婚したら?

ママ

まだ蒼太も小3だし、
それは無理かも。

早希

そっか…

私的には早く離婚して欲しかった。

大体父親は私の弟、 蒼太によく八つ当たりしている。 それを見るのはすごく辛い。

私は直接なにかされたりとかはないけど、 蒼太よりも成績が悪いから、 よく私の目の前で蒼太を褒める。 これもすごく辛い。

私なりに頑張っていい成績をとっても、 何一つ褒めてくれない。

褒めてくれたとしても、 「ふーん、すごいね。」って テレビを見ながら言われるだけ。

なんのために生きていけばいいのか、 正直分からない。

パパ

何回言ったら分かるんじゃボケ!

蒼太

ごめんなさい、パパ…

あぁ、コーラかけられてる…。

父親はよっぽどの事がない限り 手は出さない。 その代わり、言葉の暴力のような 何も跡が残らない暴力をしてくる。

ママ

ちょっと!なにしてるの!?

パパ

お前、蒼太の味方か!?
俺が悪者か!?

蒼太

……

ママ

蒼太!大丈夫!?

ママ

とりあえずお風呂行こう!?

蒼太

…うん。

早希

(これを聞かされてる私の身にも
なってみろって感じ…)

この日は結局これ以降何も起らなかった。

早希

(私ってなんの為に
生まれてきたのかな)

早希

(もう怒鳴り声なんか聞きたくないな)

早希

(最近こんなことしか考えてないな)

早希

(全然授業も集中出来ないし)

早希

早希

…死にたい

これが私とっての「普通」だ。

紗良ちゃんと話している時は 幸せだと感じて、 登下校の時と家でいる時は 苦痛に感じて、 「早く死にたい」と感じる。

早希

…いっその事殺してくれればいいのに

次の日

杏子

おはよ〜

凪沙

おはよう!

早希

…。

早希

(今日、朝から気分最悪すぎ…
昨日の喧嘩のせいかな…)

杏子

…。

凪沙

…。

凪沙

あ、あのさ、

凪沙

今日って小テストとかって
あったっけ?

杏子

多分、なかったと思う!

凪沙

ありがとう(´∀`)

早希

(私が話題もちかけないと
話せない訳?)

早希

(あぁもう!ほんとにイラつく…)

早希

(杏子ちゃん歩くの遅すぎ!)

またイライラしてしまってる。 行けないことだって言うのは本当に 1番自分が理解しているつもりだ。

でも、いざこういう感情になってしまうと 自制が効かなくなってしまう。

あぁ、今日もベッドで 1人反省会開催されるのかなぁ… しんどいな…

早希

…はぁ

早希

…朝からしんどすぎ

紗良

早希ちゃんおはよ〜

早希

…はよ

紗良

どうしたの…?

早希

嫌なことが重なりすぎてさ

早希

結構しんどいんよね〜

紗良

大丈夫?

早希

まぁ、死にはせんから大丈夫かな

紗良

そっか…

出来れば、紗良ちゃんと 話している時くらいは 明るくなりたい。

暗い話ばっかりじゃ 自分も紗良ちゃんも楽しくない。

そう理解していても、 行動に移すことは出来ない。

どうしてもイライラが勝ってしまう。

早希

あれ、桜ちゃんは?

早希

私らと一緒に帰るんじゃないの?

千紘

桜ちゃん、先に帰ったよ

早希

は?

早希

え、マジで?

凪沙

なんか、早く帰りたいらしい

早希

あのさ、

早希

私マジで桜ちゃんのこと無理やわ

千紘

確かにめっちゃ自分勝手よね

凪沙

うーん、よくわからんわぁ

早希

(何その返事、はっきりせーよ、
ウッザ)

桜ちゃんの自己中心的な行動に みんなよく悩まされていた。

せめて一声かけてから帰ればいいのに。 どちみち一人で帰るなら、 私達と初めから一緒に帰らなかったら 良かったのに。

早希

ママ、パパとはどう?

ママ

しらん

ママ

朝から口聞いてない

早希

そっか

最近母親との会話の内容は、 父親の愚痴くらいしかない。

でも、母親の話を私が 一方的に聞くだけで、 なんの面白みもない。

ただ、母親が今いちばん辛い境遇に 置かれていることは事実だから、 できるだけサポートしてあげないと とは思っている。

とは言っても話聞くくらいしか できないけどね。

パパ

蒼太、なんか欲しいゲームあるか?

蒼太

うん!今流行ってるゲーム欲しい!

パパ

じゃあ、今度の日曜日に
買いに行くか?

蒼太

いく〜!

早希

(うわ…)

今この家に父親の味方になってくれる人は 弟しかいない。

だから父親は、 できるだけ弟の欲しいものなどを買って 自分の味方につけようとする。

にしてもあの手のひら返しは 見てるこっちがイラつく。

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