私はいつの間にかさっきの子の存在を忘れてしまった。
時が経って、とある「冒険スクール」という学校に入った。
そこは子どもたちがどんなスキルであっても立派な一人前として成長を遂げるための学校と呼ばれていた。
沙那
ネオ
この子の名前はネオ。
さっきの子がいなくなった翌日から家に居座っている猫。
バットライ先生
そう言うと、みんな一斉に動き出す。
レイ
後ろから声をかけて来る者がいる。
沙那
レイ
沙那
ネオ
ネオは彼に威嚇をし始めた。
レイ
まだ威嚇はしてるのに、よく撫でられるなと思いつつも、首を縦に振った。
彼はネオにためらいもなく、近づいて行った。
レイ
彼は急にネオに右手を引っかかれた。
沙那
私は彼の右手を手に取り、傷跡を救急道具で治そうとした。
そのはずだった。
しかしそこには何もない彼の手がそこにあるだけだった。
レイ
沙那
急に吐き気を催した。
彼が気持ち悪いこと言うから。
レイ
沙那
レイ
沙那
ウチは手に持ってた二つの竹刀を彼の一本の竹刀の突きの動きを防いだ。
レイ
沙那
お父さん
とある男
レイの姿がお父さんやあの時見えた男と似ていた。
レイ
沙那
私はひっきりなしに両手の剣を振るう。
レイ
女神ココラ様
沙那
ウチの体がお父さんに当てたあの時のように血が騒いでいる。
沙那
彼に向けて二つの竹刀は突き当てて行く。
レイ
沙那
二つの竹刀は彼の竹刀の一振りによって、どちらも折られてしまった。
レイ
私の右足をめがけて、彼は剣を振るう。
しかし……。
誰かの竹刀が素早く振り切り、彼の手に持ってた竹刀が彼の手からすり抜けて地面に刺さっていた。
バットライ先生
レイ
レイの見る目は先生をかなり睨んでいた。
そしてレイはそのままどっか帰ってしまった。
ユキ
沙那
差し伸べられた手に私の手が重なる。
体はゆっくり起こしていた。
そのまま彼女は私の手を引っ張って体を抱き寄せてくれる。
ユキ
すんすんっていう鼻の匂いが聞こえてきた。
沙那
私は彼女に抱かれたまま眠ってしまった。
彼女の温もりが暖かったから。








