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マルトク🉐さんに捧ぐ

第1話 - マルトクさんに捧ぐ、相互感謝品。もりさこ。今さらながらの佐古誕生日話。

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2023年04月24日

#ヒューマンバグ大学腐

#もりさこ

#守若冬史郎

#佐古大和

ひな

もりさこ　『エイプリルフールの贈り物』

『あなたは、都合のいい人になってませんか？』

佐古大和

え

テレビから流れてくるテロップに、俺の手から、ポロっとせんべいがこぼれ落ちる。

『私のことが好きなら、形にして贈ってって彼に言ったら、別れようって言われたんですよ。しかも、彼、私とは別に本命の彼女がいたんですよ。その時、私都合のいい女だったんだって気づいたんです』

『彼、最低ですね。反対に別れて正解だったと思いますよ。でも、たまにそういう話、聞きますよね』

『先ほどの彼女のように、本命は自分だと思ってたら、実は都合のいい人だったって経験、皆さんはありませんか？』

俺はかじりつくように、テレビ画面を見いいる。

『ここで、あなたは本命？それとも都合のいい人？チェック！今から言う項目に該当が多いほど、都合のいい人ということになります』

check1　メールに既読つけないと不機嫌になったりするのに、こちらからメールした時は未読、既読スルーは当たり前。

佐古大和

これよくある

check2　此方からの呼び出しには、応じない。応じても不機嫌。

佐古大和

これにも覚えがあるぅぅぅ

check3　記念日に会ってくれない。予定があるって断れる。

佐古大和

来てくれたけど、ベンツで跳ねられた

その後も項目は続き、全てのチェックを終えた。その結果、10項目中7項目該当していた。

佐古大和

･･･もしかして、俺って守若の兄貴にとって都合のいい人なのか？

体の関係はある。でも、好きだとは言われた事はない。

いや、そもそもこういう関係になったのもたまたま。互いに酔いつぶれて、気づいたら、裸で隣に寝ていた。それから、ズルズルと関係が続いている。

佐古大和

てっきり、付き合ってるのだと思ってたけど、俺の勘違いだった？

そして、何故かこういう時に限って、タイミングよく、守若の兄貴から電話が掛かってきた。悶々とした気持ちを抱えたまま、電話に出る。

守若冬史郎

通話
23:13:00

佐古大和

もしもし、守若の兄貴、お疲れ様です。どうしたんですか？

守若冬史郎

佐古～、誕生日プレゼントに、何か欲しいものない？

佐古大和

欲しいものですか？特に･･･

『私のことが好きなら、形にして贈って』先ほどの言葉が、頭の中でリフレインする。

佐古大和

あります！手に嵌めるものが欲しいです！

守若冬史郎

手に嵌めるものね。分かった。それだけ、じゃあね

用件だけ聞くと守若の兄貴は、さっさと電話を切ってしまった。

佐古大和

俺の馬鹿！なんで、手に嵌める物とか言ってしまったんだぁ。指輪なんて、都合いい奴からねだられたら、一番困るやつぅぅぅ

いや、でも、本当に都合のいい人なら、プレゼント候補聞いたり、プレゼントなんて贈らない筈だ。だから、少しくらいなら、期待してもバチはあたらないかもしれない。

佐古大和

･･･守若の兄貴、指輪くれるかな

俺の誕生日に贈られるプレゼントに希望を託し、俺は眠りについた。

そして、誕生日当日。俺が事務所に顔出すと一番に守若の兄貴が駆け寄ってくる。

守若冬史郎

はい、佐古これあげる～

守若の兄貴から、俺の手におさまる程の小さな箱を渡される。

佐古大和

ありがとうございます

このサイズの箱なら、指輪とかピアスとかだ。これは期待してもいいかもしれない。

佐古大和

開けてもいいですか？

守若冬史郎

良いよ～

期待に胸を踊らせながら、包みを開いていく。

箱を開くとなんとそこには

佐古大和

まさかのメリケンサックぅぅぅ

何故か、メリケンサックが入っていた。いや、確かに手に嵌める物と指定しましたけども、これじゃないぃぃぃ！

守若冬史郎

手に嵌めるものが、欲しかったんでしょ？前に久我くんに、パンチ力あげたいって言ってたでしょ

佐古大和

確かにパンチ力あげたいとは、言いましたけど

守若冬史郎

なんか文句でもあんのか？このやろ～

守若の兄貴の後ろで、刺身包丁がキラリと光る。

佐古大和

いえ、ありません！だ、大事に使わせていただきますぅぅぅぅ

守若冬史郎

あ、そういえば、久我くんと調査行くんだった～。じゃあね、佐古。また後で遊ぼう～

そう言って、守若の兄貴は風のように去っていった。

佐古大和

このメリケンサックどうしょう

この場合の判定は、どうなるんだ？都合のいい人なのか？本命か？どっちだろう。

あ、でも、何も貰えないよりはマシかな。

期待してただ分だけ、俺の落胆は大きかった。

誕生日なのに、憂鬱な気持ちのまま、仕事に取りかかる。気持ちに引きづられてか、仕事の効率も落ちていく。

一段落つき、少し遅めの昼食をとる。その後は、お腹が膨れた為、段々と眠気に負けて、腕を枕に眠りについた。

そのまま、気持ちよく、昼寝を堪能していたのだが

ん？なんか眩しくないか？

何かチカチカと光る物によって、俺は眠りを妨げられ、仕方なく、まだ眠気の残る目を擦りながら、目を開ける。

佐古大和

ん？え？エエエーー！！

眩しい物の正体に気づいた瞬間、さっきの眠気が嘘のようにふっ飛ぶ。

なんと、俺を照らしていた眩しい物の正体は、俺の右手の薬指に嵌められたシルバーゴールドの指輪だったのだ。

守若冬史郎

佐古、やっと起きたか、このやろ～

佐古大和

も、守若の兄貴、これ！

守若冬史郎

約束通り、手に嵌めるものだじょ～

佐古大和

え、じゃあ、あのプレゼントのメリケンサックは？

守若冬史郎

今日はエイプリルフールだじょ。それにもう昼過ぎだ～

佐古大和

守若の兄貴、俺、兄貴なら気づいてくれると信じてましたぁぁぁ

守若冬史郎

来年は左の薬指、期待しててね

佐古大和

はい！楽しみにしてます

エイプリルフール、嘘をついていいのは午前まで。午前についた嘘は、午後にネタバラシ。

おわり

おまけ

花沢伊織

ちーす、ザコパイセン

佐古大和

ザコじゃなぁいぃぃぃ！

花沢伊織

あれ、それク○ムハーツじゃないですか

佐古大和

ふふん、良いだろ？

花沢伊織

ザコパイセン、よくそんな高いの買えましたね

佐古大和

え？これって、そんなに高いの？

花沢伊織

えっと、あった、あった。ほら

そういうと花沢がスマホの画面を見せてくる。

佐古大和

一、十、百、千万、十万、百万、126万！！

婚約指輪の相場が20～30万。俺に贈られた指輪は、それを遥かに越える値段だった。

佐古大和

こ、こ、これはこれで怖くて外せないぃぃぃ

おわり

あとがきマルトク🉐さんへの相互感謝品のもりさこ。高額なプレゼントも、相手の行動を縛るには有効的。特にアクセサリーは無くしやすく、頻繁につけたり、外したりする内に無くすので、無くさないように身につけておくようになります。大事に保管して着けない人もいますが、無くさないようにチェーンを通して、ネックレスにしたりする人も多いよ。エイプリルフールは、嘘をついていいのは１日中か、午前までか、国によってわかれます。今回はイギリスの設定を採用させて貰ったよ。この日は、イギリスはメディアもこぞって嘘をつき、午後にはちゃんとネタバラシをしてるよ。気に入っていただけたら、幸いです。相互感謝。