嫌われてたと思っていた先輩の愛が重すぎる!?
バスケ部の先輩・永野 翼。
誰にでも冷たく、特に俺――凛には、冷たいどころか無視すらされた。
目が合えば無言で背を向けられ、話しかけても塩対応。
“嫌われてる”――ずっとそう思ってた。
でも、ある日の練習試合後。
偶然見てしまった、翼先輩のスマホのロック画面。
それは……寝ている俺の写真だった。
引いた。怖かった。
けど、気づいたときには教室の机の中に手紙。
「凛くんの汗の匂いがまだ教室に残ってる」
「今日も、バッシュのひも俺が結んだままにしてくれてありがとう」
「凛くんの隣に立つのは、俺だけでいいよね?」
――先輩は、ずっと俺を見てた。
無視してたのも、話しかけられたら気持ちがバレそうで「壊れそうだった」から。
歪んだ愛が、ずっと隠されてただけ。
そして今――
「陽翔、今日もちゃんと俺だけ見てた?」
首筋に触れる指先が、震えている。
逃げられない。
でも、なぜか胸が高鳴るのは、なんでだろう――。