もしも、 猫になったら、
誰もが一度は 思ったことがあるはずだ。
ある少女も 猫になることを願った。
もしも、 猫になったら …
杏
……はぁ、
由香
杏~!
杏
あ、
プイッ
由香
杏っ!
待ってっ!!
待ってっ!!
由香
どうしたの?
杏
もういいよ。
杏
どうせ、
変わらないよ。
変わらないよ。
由香
きっと変わるよっ!
由香
私が助けるから
もう少し頑張って
もう少し頑張って
杏
頑張る?
杏
貴方に私の辛さ
が分かるの?
が分かるの?
由香
っ、
それは…
それは…
杏
私の気持ちなんて
分からないのに、
分からないのに、
杏
勝手な事
言わないでっ!!
言わないでっ!!
タッタッタッ!!
由香
…行っちゃった。
~由香の部屋~
由香
……。
先程の会話が 頭の中で蘇った。
杏はいじめを 受けていた。
私は何とか 助けようといろいろした。
だけど、 まだ何も変わってない。
由香
杏の気持ちか。
由香
はぁ、
杏の気持ちを 知りたいけど、 知ることが出来ない。
由香
…辛いな。
にゃあ~
由香
…猫だ。
猫がこちらをじっと 見つめている。
由香
ねぇ、猫ちゃん。
由香
…もしも、猫になったら
杏の気持ち
分かるのかな?
杏の気持ち
分かるのかな?
……。
由香
って分かるわけ
ないよね💧
ないよね💧
試してみる?
由香
えっ
ピカッ!!
由香
うわぁっ!?
~杏の部屋~
由香
(あれ?)
杏
うぅっ
由香
(あっ、杏だ!)
由香
(どうして泣いてるの?)
由香
(えっ)
由香
(私、
あの猫になってる!?)
あの猫になってる!?)
由香
(なんで!?)
由香
(あっ、
私が言ったから?)
私が言ったから?)
杏
うぅっごめんなさい。
由香
(とりあえず
鳴いてみようかな?)
鳴いてみようかな?)
にゃ~ん (どうしたの?)
杏
…雪いたんだ。
由香
(杏の猫の
名前かな?)
名前かな?)
杏
雪…聞いて…
杏
私友達に酷いこと
言っちゃった。
言っちゃった。
杏
私の気持ちが
分からないくせに
分からないくせに
杏
勝手な事
言わないでって
言わないでって
杏
私、最低だよね。
杏
由香ちゃんは
私を助けようとして
頑張ってくれてるのに。
私を助けようとして
頑張ってくれてるのに。
由香
(…杏は悪くないよ。)
由香
(私だって
杏を助けよう
としてまだ何も…)
杏を助けよう
としてまだ何も…)
杏
私もね…頑張ったよ。
杏
でも
ただ酷くなるだけで
ただ酷くなるだけで
杏
何も変わらなかった。
杏
だから辛くて
友達に当たちゃった…
友達に当たちゃった…
由香
(…そうだったんだ)
杏
…雪に言っても
分からないよね。
分からないよね。
にゃ、 (分かるよ!)
にゃあ~ (私は由香だよ!)
杏
…ちょっと
出かけてくる。
出かけてくる。
由香
(えっどこに…)
杏
もう、
会えないよ。
会えないよ。
由香
(それって)
にゃっ! (待ってっ!)
トコットコッ
にゃあっ!! (行かないでっ!!)
杏
……。
にゃあっ!! (嫌だっ!!)
にゃ~んっ!! (私の声を聞いて)
杏
じゃあね。
にゃあっ!! (杏っ!!)
由香
……はっ!?
由香
夢…だったの?
由香
……。
…行かなきゃ…
タッ
タッ
タッ
タッ
タッ
タッ
杏
…はぁ、
由香
杏っ!!
杏
あ、
プイッ
由香
待ってっ!!
由香
どうしたの?
杏
もういいよ。
杏
どうせ何も
変わらないよ。
変わらないよ。
由香
そんなことないよっ!
由香
私が助けるから
もう少し頑張って
もう少し頑張って
杏
頑張る?
杏
貴方に私の辛さが
わかるの?
わかるの?
由香
分からないよっ!
由香
私は私だから
杏の気持ちを
知ることが出来ない。
杏の気持ちを
知ることが出来ない。
由香
だからこそ、
ちゃんと
私に杏の気持ちを
教えてよっ!
ちゃんと
私に杏の気持ちを
教えてよっ!
由香
困っている友達の
気持ちを知れない
のだって…辛いんだよ。
気持ちを知れない
のだって…辛いんだよ。
杏
…由香…
杏
うぅっ…ごめんね…
由香
…私こそ
ごめんね。
ごめんね。
もしも猫になれたら 相手の気持ちが わかるかもしれない。
だけど、猫では 相手に声が届かない。
にゃあ~
直接言わなきゃ 気持ちは伝わらないよ。
そう思うと僕は、 人の方がいいなと 思うけどね。







