もし太陽が僕の胸に堕ちてきて、
溶けてしまえば僕達は死んでしまう。
だが僕達に優しく近くで微笑みかけるのならば、
レイ
『・・・ゆっくり死んでいく。』
レイ
(なんでこんな本が、こんなところにあるんだろう?)
レイ
(本と言うよりは・・・日記?)
レイ
(一人称が僕だからお母さんのってことはないし)
レイ
(他の3人?でも書かれたのは随分前らしいから違うな)
レイ
なんなんだろう・・・
レイ
『・・・どうせ死ぬのは変わりないのに。』
レイ
『何故人は自由を求めるのか。』
レイ
『いつかなくなってしまうと、知っているからなのか』
レイ
『いつか全てが変わってしまうと、知っているからなのか』
レイ
『変わらないものなんてない。』
レイ
『変わってほしくないものならいくらでもあるのに。』
レイ
・・・
レイ
(驚いたな、今さっきまで僕が考えていたことにそっくりだ)
レイ
(誰が書いたんだろう・・・)
ママ
貴方・・・貴方達の子達は本当に綺麗よ・・・
ママ
皆、お人形さんみたいよ・・・
ママ
(でもね、貴方が居なければ)
ママ
(この子達を産まなければ)
すべてが美しいままだったの。
時が止まったままだったの。
泣いた。鳴いた。
美しい子が泣いた。
ママ
(いないいないばぁ。ねぇ、早く出てらっしゃい。)
ママ
(私と庭に散歩に行きましょう?)
ママ
(鳴かないで。何もしないから。)
ママ
(ただ、貴方達を愛しているだけよ。)
ママ
(ただ、)
ママ
(それよりも愛している人が犠牲になっただけよ。)
ママ
(ただ、)
ママ
(その人の為に犠牲にするだけよ。)
ママ
レイ・・・貴方はね、一番お父さんに似てるわ。ハンサムよ。
レイ
お母さん・・・本当に?僕のこと嫌いだと思ってたよ。
ママ
本当にそういう所までそっくりよ・・・
レイ
嬉しいなぁ・・・お父さんは僕にそっくりなんだ。
ママ
本当に・・・ね・・・
レイ
何?
ママ
本当に醜い子・・・お父さんの居る所に行きなさい・・・
目から涙が落ちたのは、
太陽が余りにも眩しかったから。
ママ
(嗚呼、貴方が泣いてるのね、)
ママ
(鳴いてるわ、)
ママ
(貴方が名付けたサンが、)
ママ
(鳴いてるわ。)
太陽が涙を流したのよ。
溶けてしまったのよ。
ママ
本当に醜い子達よね・・・
サン
『ママ・・・?』