コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
声は消えない。 心が壊れそうな夜も。 それだけが俺を守ってくれた。
SONWOO
練習室の隅っこでそう呟いたことがある。 昔から歌が大好きで。 だけど上手いって言われることがとても怖かった。 自分の歌が誰かの心に届いてしまうことで、 自分という人間をそのまま見られるようで。 アストレインの練習生として加入したのは少し遅めだった。 最初からいたメンバーたちの輪に、 自分の声が混ざることに戸惑いがあった。 そんうくんここのパートお願いします!! そう誰かに言われる。
SONWOO
笑顔で答えるたび、 この声でよかったのだろうか。 という不安が押し寄せてくる。 でもあるとき、 誰よりも言葉を選ばないいぇじゅんが 不意にぽつりとこう言った。
YEJUN
俺にとって最大の褒め言葉。 心に響いてる、そう確信できる瞬間だった。 練習室の片隅で1人歌い続けた日々。 喉がやけるように痛む日も、 どうしても出せない音が悔しくて泣いた夜もある。 だけど音を手放す気はなかった。 自分と世界を繋いでくれたから。 デビュー曲で初めてステージに立った時。 イントロが鳴りだす直前。 ステージ裏で深呼吸をして、 呟く。
SONWOO
SONWOO
ライトに照らされる瞬間。 俺の声は空気をふるわせた。 誰よりも透明で熱を持った音だった。 舞台裏で メンバーたちがそれぞれのペースで疲れを癒す中。 静かに水を飲みながら 小さく笑う。
SONWOO
それは誰に言うことでもなく、 でも確かに「アストレインの一員」としての言葉だった。 誰かを救うなんて大袈裟なことは言えない。 それでもこの声が、 ほんの少しだけでも誰かの夜に光を灯すなら。 俺は、 今日もまた音と向き合う。 いつか自分の歌が。 宇宙の果てまで届くと信じて。