司
ふむ……
オレは、考えていた。 どうしたら絵名に好かれるのかを。
類
司くん、どうかしたのかい
司
ああ、類じゃないか
神代類。オレの昔からの幼馴染で、ショーが好きな心の通じる心友でもある。 的確なアドバイスをくれたりするので、本当にありがたい存在だ。
司
いや、思ったのだが生まれてこの方恋などというものはしたことがなくてだな……
類
うんうん
司
あまりこう、グイグイいくのも良くないと思ったんだ
類
……司くんが、今更それを言うのかい?
司
は…?
類
だって、聞いた話によると出会って初日に告白をしたんだろう?
司
ああ。それがどうかしたのか?
類
そんなことをしてしまったら、この先どんなことをしたってそれに勝る恥ずかしさはないと思うんだ
司
……ふむ、一理あるな
類
それに、急に今日になって大人しくなっても変だと思うよ。聞いた話によると、部活に付いていったらしいじゃないか
類
そう。だから気にしすぎる必要はないと思うよ
司
確かに。今更かもしれないな
司
そうか!ありがとう!参考になった…!
類
いいんだよ、これくらい
類
(そっちのほうが面白いだろうし。勿論応援はするつもりだけど)
司
(今日は試しにお昼ごはんにでも誘ってみるか……)
昼休み
司
おーい、絵名〜絵名はいるか〜!?
絵名
…………
司
いるじゃないか!いるなら返事をしてくれ!
絵名
ちょっと、どうしたの…!?
絵名は席を立ち上がりこちらに来ると、小声でそう話した。
司
お昼ごはんを一緒に食べようと思って。どうだ?
絵名
ど、どうだって……
絵名はオレの右手に持たれた弁当箱をチラチラと見て少し苦い顔をした。
絵名
ここじゃ注目されるし、違うところへ行かない?
司
ああ!勿論だ!
屋上
絵名はお弁当がないとのことだったので、取り敢えず購買で一緒にパンを買った。
腕を組み、訝しげにこちらを見る絵名。少し心が痛い……。
絵名
で、なんなの?
司
お昼を一緒に食べようと思ってな、誘いに来たんだ!
絵名
それはいいけど……。あんなに大声で私の事呼ばないで、恥ずかしいから。
司
そ、そうか。それは悪かった……
はっきりとそう言われたので反省する。配慮が足りなかったみたいだ。
二人で屋上に座る。オレはお弁当箱を開け、唐揚げを口に放り込む。 それにしても、絵名は購買でメロンパンのみを買っていた。
オレはそれだけじゃご飯は足りないので、やはり食が細すぎるのではないかと心配してしまう。
妹のことがあるから、余計に─。
司
絵名はそれだけで昼は足りるのか?
絵名
まあ、そうだね。そういう天馬くんはやっぱり多いね。お母さんが作ってるの?
司
いや、オレが作ってるぞ。
絵名
へえ、凄い。美味しそうだね。
絵名は感心したようにオレの弁当箱を覗き込む。彩りも栄養バランスを考えて作っているから、そう言われるのはとても喜ばしい。
絵名
私はいつも購買だから、いいね。まあお母さんに無理させたくないだけだけど。
絵名
(本音を言うと人参を食べないと怒られそうで嫌なんだけど)
司
ふーむ、そうか……。
司
っ──そうだ!
絵名
え、なに?
司
それならば、オレが絵名の弁当を作ってあげよう!
絵名
えっ、いいよ、悪いし!
司
いや作ると言ったら作るのだ。ほら、この卵焼きを一つ食べてみてくれ。
絵名
え、
オレは卵焼きを一つ箸で掴んで絵名の口元へと持っていく。
司
ほら、口を開けてくれ。あー
絵名
……
絵名は驚きつつも口を開けて卵焼きを食べてくれた。
絵名
(こういうのって間接キスになんないの!?)
司
どうだ、美味しいだろう!
絵名
う、うん……
司
ふふ、そうだろうそうだろう。ならばオレがお弁当を作っても文句は言わないな!
絵名
だって迷惑かけちゃうし……それにお弁当にかかるお金だって……
司
気にしなくていいぞ。オレがしたいからやるのだ。やりたいからやるんだ。
司
それに、一人分だとやはり寂しいからな
絵名
ふーん……
絵名は納得してくれたようで、それ以上は何も言わなかった。
司
(機転を利かせたお陰で、毎日絵名とご飯を食べられる口実ができたな!)
そしてオレは密かに、小さな幸せが出来たことを喜んでいた。
続き♡1000↑ (長すぎるのかな……?)






