テラーノベル
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マイキー、という名前を口に出すことは、もうほとんど無くなっていた。
誰かに聞かれることもないし、自分から話すこともない。
それでも。
忘れたかと聞かれたら、きっと首を横に振る。
大きくなって、私はようやく気がついた。
_思い出って、もっと曖昧なものだと思ってた。
時間が経てば、忘れてしまうと思っていた。
でも、マイキーは違った。
声は思い出せるし、笑い方も、少し困った時の目の動きも。
神社の階段に腰掛けて、缶ジュースを開ける音まで、やけに鮮明だった。
紡
ひとりで呟く。
名前を思い浮かべるだけで、胸の奥が、静かに波打つ。
好きとは、違う。
でも、どうでもいい、でもない。
友達
友達
友達
笑いながら聞いていたはずなのに、ふと引っかかる。
_年上。
また頭がグルグルする。
また思い出しちゃった。
友達
紡
友達
紡
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