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解説 2005年にドラえもんの声優が 『大山のぶ代』から 『水田わさび』に変わった そのため、大山のぶ代さんの声を 知っている小学生はほとんどいない
平日の昼下がり
長年の激務から開放されたのぶ代は、近所の公園で一人のんびりとしていた
夕暮れにさしかかった頃、砂場で遊ぶ一人の少年をみつける
小学校低学年と見られるその少年は、小さい体に似合わない大きな黒ぶちの眼鏡をかけ、一人黙々と砂山を作る
のぶ代
少年はパッと顔をあげ、か細い声で
少年
少年の横に座り、砂山に砂をかけていくのぶ代と少年
のぶ代
砂山にまっすぐ視線を向けたまま、少年は答える
少年
のぶ代は目を細めながら少年を見つめる
あぁ君みたいな子を、私はずっと知っているよ...と
のぶ代
少年
のぶ代
少年
少年は初めて小さな笑顔を見せてくれた
のぶ代
ふと見ると、少年の顔がうっすら雲っている
少年
少年
砂山をぐしゃりと潰し、走り去っていく少年
のぶ代は何もいえなかった
あたりは暗くなり始めていた
のぶ代