テラーノベル
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平日の昼下がり
長年の激務から開放されたのぶ代は、近所の公園で一人のんびりとしていた
夕暮れにさしかかった頃、砂場で遊ぶ一人の少年をみつける
小学校低学年と見られるその少年は、小さい体に似合わない大きな黒ぶちの眼鏡をかけ、一人黙々と砂山を作る
のぶ代
少年はパッと顔をあげ、か細い声で
少年
少年の横に座り、砂山に砂をかけていくのぶ代と少年
のぶ代
砂山にまっすぐ視線を向けたまま、少年は答える
少年
のぶ代は目を細めながら少年を見つめる
あぁ君みたいな子を、私はずっと知っているよ...と
のぶ代
少年
のぶ代
少年
少年は初めて小さな笑顔を見せてくれた
のぶ代
ふと見ると、少年の顔がうっすら雲っている
少年
少年
砂山をぐしゃりと潰し、走り去っていく少年
のぶ代は何もいえなかった
あたりは暗くなり始めていた
のぶ代