暇72
動かない足で、この家に入るのは 初めてだった。
すちに押してもらう車椅子で玄関を潜ると
リビングから慌ただしい足音が聞こえてきた。
暇72
みんなは俺に抱きついた。
すちといっしょにバランスを崩す。
みんなはぎゅっと俺を抱きしめた。
暇72
暇72
暇72
暇72
振り絞る声は掠れていた。
俺はベッドの上に大の字に飛び込んだ
膝から下に感覚はなかった。
天井は白かった。
俺はそれを見つめた
あと何度、ここに入れるのか。
…知っていた。
あとー…
すち
暇72
顔を少し上げれば
扉の前にはすちがいた
すち
暇72
暇72
その表情は固かった
閉ざされた口から、 彼の小さな息の音が聞こえた。
暇72
すち
すち
暇72
すち
暇72
すち
すち
暇72
すち
すち
暇72
すち
すち
暇72
すち
おれがしんだら、
みんなはなにをしてくれますか?
ありがとう、と泣いてくれますか?
おれの棺の前で、
おれを思ってくれますか?
おれはみんなが大好きです。
少ない人生
みんなといれてよかったです。
もうみんなと会えない
生まれ変わっても、たぶん
これから、ずっと
だからってすぐに 追いかけてこないでよね
そんなことしたらおれ、 お前らのことくものうえから、 落としてかえしてやるよ
俺はもういないけど
ずっとみんなをみまもっています。
親愛なる仲間、
いや、家族のみんな。
今まで本当に
ありがとう
かたんと、床にペンが落ちた。
左手は、震えていた。
妙な感覚に、
俺は涙をこぼした。
俺にくっついて、眠るすちの
頭を撫でて
震える声でこう言った
暇72
コメント
6件
な、なつくん….ᐟ あとねガチ泣きしたねぇ……
うぇぇ!なづぐん(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) やばいやばいって! どーする??どーなるんや?!
なつくん…!やばいよ、すちくんと皆が泣いちゃうよ…?(?)