2位 辰原 佳月
1限目────嫉妬だろうか、 劣等感だろうか……将又、それ以外の感情か。 この教室に渦巻く、重苦しい空気を打ち破るかの様にして 声を上げたのは、ランク2位の佳月さんだった。
どんな場面でもクラスを引っ張っていく、 誰もが認める人気者… 寧ろ、ランク1位で無く、 2位止まりでいる事に驚きさえ覚える程だ。 だが、教室の空気は重く、彼女の言葉は無力だった。
4位 高橋 愛
ランク4位の高橋さんが反論。 高橋さんは、大日方さんのグループの1人であり…… グループ外の佳月さんが、 自分の上に立っている事が癪に障ったのだろう。 高橋さんの言葉には、明らかな怒りが込められていた。
2位 辰原 佳月
「’’また’’……」という言葉が、自然と強調される。 その言葉に反応したのは、私だけでは無い様で…… 馴染みのある面子が、 自分にとって都合の悪い事を思い出したかの様に、 酷く複雑そうな表情を浮かべていた。
2年前────私達が中等部 2年A組の生徒として、 平穏な学生生活を送っていく筈だった。 学級崩壊が既に始まっていることも知らずに…
加賀美 上
クラス一同
加賀美 上
加賀美 上
ある朝、 "中等部 2年A組 カースト表’’と題された紙が、 加賀美先生の背後である、黒板に貼られていた。 突然のことに驚きつつも、 私達に振り分けられている1から20までの数字から、 状況を理解するのにあまり時間を要さなかった。 そこから、あの地獄の様な日々が始まった……
カースト表が張り出されたあの日から、 クラスには"嫉妬"、"劣等感"、"不満"が渦巻いていた。
"人は、どうしようもない怒りの矛先を弱い物に向ける。" とは上手く云うものだ…。 怒りは愉悦に変換され、カースト下位に向かう事になる。 それは、親友の音緒も例外にはならなかった。 たとえ、きっかけは些細な出来事に過ぎずとも…。
(旧 最下位)鬮目 音緒
(旧 最下位)鬮目 音緒
(旧 最下位)鬮目 音緒
(旧 5位) 皇 要
破れた窓から、聞こえてくる笑い声を耳に留め、 状況を見ては、声を押し殺すしかなかった。
ただ、"物を隠される"、"虫を食べさせられる''、 "暴力を振るわれる"… "裸を写真に撮られ、他の媒体へと…" "酒に酔わされ、上級生から襲われる" 想像を絶するいじめを受ける親友を、 放っておける筈などない。
人目がつかない場所に連れて行かれ、 暴力を受けたのか、ぐったりとしている音緒を前に、 加賀美先生も同じだった様だ…。
合図を鳴らすかのように、ガシャンと扉を開く。
加賀美 上
(旧 5位) 皇 要
(旧 最下位)鬮目 音緒
見慣れた顔に安堵したのか、 泣き腫らした顔に笑みが宿った。
加賀美 上
(旧 3位) 愛宕 潤
(旧 3位) 愛宕 潤
加賀美先生が大日方さんの腕を、グッと掴み、 まるで、獲物を見定めるかのように、 ギラギラとした目で、2人を睨み付けていた。
(旧 2位) 大日方 光咲
加賀美 上
加賀美 上
加賀美 上
やっと、音緒がいじめから解放されたと思っていた。 やっと…音緒の笑顔が見られる! "先生に助けを求める"そう間接的にでも、 いじめを止められた…!そう思っていた…。
私の考えは甘く…それを自覚した日には、 私自身が、事態を悪化させる1つネジとなっていた…
"いじめ問題は…全て丸く収まった"とさえ思っていたが、 それは、依代が変わっただけの事であって… 怒りの矛先は、加賀美先生に向かっていっただけだった。
この教室の絶対的権力であったとさえ思っていた、 先生でさえも、容易く蹂躙されてしまう事実に戦慄し、 "庇ったら、私もいじめの標的になるかもしれない…" 皆、同じ事を思っていたのか、止める者すらいなかった。
先生に味方はいなかった…。
夏休み前、最期のHR…
加賀美 上
加賀美 上
クラス一同
先生の不自然な言葉選びに、不信感を抱きつつも… "まさか、先生に限って、そんな事する筈がない!" そんな不確かな自信が、先生の最期のSOSを無視していた。
これから、最悪の事態を招くこともいざ知らずー
キーンコーンカーンコーン……キーンコーンカーンコーン 閑静な教室には、本鈴だけが鳴り響く。
そして…そこにいるはずの加賀美先生の代わりに、 教壇には見慣れない人影があった。 副担任の御手洗 麗奈先生だ。 厳かな雰囲気の中、御手洗先生が口を開く。
御手洗 麗奈
クラス一同
一同が、固唾を飲み込む中… 御手洗先生は構わず言葉を続けた。
御手洗 麗奈
クラス一同
御手洗 麗奈
御手洗 麗奈
(旧 5位) 皇 要
加賀美先生が亡くなった…。 そう、衝撃的な事実を突き付けられても尚、 私達は狼狽える事しか出来なかった。
(旧 9位) 戯画 夏葵
(旧 1位) 辰原 佳月
(旧 1位) 辰原 佳月
(旧 2位) 大日方 光咲
(旧 1位) 辰原 佳月
(旧 1位) 辰原 佳月
(旧 10位) 厳画 冬茜
(旧 10位) 厳画 冬茜
(旧 10位) 厳画 冬茜
2位 辰原 佳月
ドンッ…!
その瞬間、物凄い衝撃音が教室に響き渡った。
(旧 3位) 愛宕 潤
(旧 5位) 皇 要
(旧 5位) 皇 要
(旧 3位) 愛宕 潤
(旧 3位) 愛宕 潤
大日方さんと愛宕さんは、 加賀美先生のお別れの会すら出席せず、 教室を出て行ってしまった…。
大日方さんと愛宕さんは、 数日、たった数日だけ… "加賀美先生を自殺に追い込んだ問題児" "いじめっ子" そう後ろ指を指されただけで、現に今は元通り。 寧ろ、クラスの支配者として君臨していた。
私達、傍観者にとって都合の悪い記憶…。 その傷を抉るかのように、"また"繰り返される現状。 だが…みんな、そんな事を許すはず無かった。
コメント
1件
先生可哀想……。゚( ゚இωஇ゚)゚。