ジェジェ
「……というわけで、私がそらを救い出した際、放った魔素の一粒一粒が、彼女への愛の証だったのです。

ジェジェ
分かりますか? さあ、次は私がそらに贈った999通のラブレターの、第42巻について解説を……」

昨夜、そんなジェジェの熱弁が深夜3時まで続き、解放された若者たちは今、リビングで死んだ魚のような目をしている。
そら
「……おはよう、みんな。……昨日は、大変だったね」

そらちゃんが申し訳なさそうに朝食を運んでくるが、そらねちゃんの彼氏と、そら真くんの彼女は、昨夜の「ノロケ攻撃」のダメージで、目の下に深いクマを作っていた。
騎士君(彼氏)
「……お義父さんの愛……重すぎて、物理的に肩が凝りました……」

そらまの彼女
「……私も、パパさんのそらさんへの執着心を聞いて……愛の概念が書き換わりました……」

そこへ、当の本人であるジェジェが、これ以上ないほど爽やかな顔で現れる。
一晩中喋り倒したとは思えない、完璧な執事の立ち振る舞いだ。
ジェジェ
「おはようございます、皆様。昨夜は私の『愛の初級講座』を最後まで聞いていただき、感謝します。

ジェジェ
おかげであなたたちも、我が家の一員になるための『基礎知識』は身についたことでしょう」

騎士君(彼氏)
「「(……あれで初級……!?)」」

そらまの彼女
「「(……あれで初級……!?)」」

若者二人が戦慄する中、ジェジェはそらちゃんの腰を当然のように抱き寄せ、その髪に深く口づけた。
ジェジェ
「さて、座学の次は『実践』です。そら真、そらね。……あなたたちの連れてきたこの者たちが、口先だけでなく、

ジェジェ
実際に我が家を守る力があるのか……。今日はこれから、訓練場にて『実力テスト』を行います」

そらね
「パパ! まだやるの!?」

ジェジェ
「……フッ、そらね。愛とは、語るだけでなく守るもの。……さあ、朝食を5分で済ませなさい。

ジェジェ
遅れた者は、昨夜の講義の『第43巻』から再履修(アンコール)ですよ」

ジェジェの冷酷な宣告に、彼氏くんと彼女さんは、慌ててトーストを口に詰め込むのだった。
ジェジェ
《 報告。……個体名:ジェジェの教育方針が『精神攻撃』から『肉体的特訓』へとシフトしました。……

ジェジェ
なお、そらちゃんは隠し味に『スタミナ回復薬』を混ぜたオムレツを作って、こっそり若者たちを応援しています。 》
