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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ、執事パロ
rara🎼
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16 この気持ちは、主従なんかじゃない
月曜の朝。
登校の支度を終えたみことは、珍しく食欲のない様子でダイニングに座っていた。
目の前に並ぶトーストとサラダ。
手をつけることなく、フォークをただ指でいじっている。
すち
いつの間にか傍らに立っていたすちが、そうやって微笑んでくる。
それはいつもと変わらない口調。
でも──みことの胸の奥では、昨日から何かが変わり始めていた。
みこと
みこと
すち
みこと
みことはふいに立ち上がり、椅子を押して歩き出す。
すちはすぐに後を追うが、屋敷の長い廊下を抜けた先、静かな中庭でようやくその背が止まった。
みこと
すち
みこと
静かな春の風が、ふたりの間を撫でていく。
すちは答えず、数歩前に進み、みことの隣に立った。
瞳を伏せたまま、少しだけ口元が揺れる。
すち
みこと
すち
すち
みことは小さく息を呑んだ。
その言葉は、ずっと心の中で避けていた核心に触れてくる。
みこと
小さな声で尋ねたその一言に、すちはまっすぐみことを見つめて答えた。
すち
すち
その瞬間、みことの胸の奥に走ったのは、痛みのような、でも確かなあたたかさだった。
みこと
気づかぬうちに手が震えていた。
みこと
すち
みこと
みこと
すち
すちの声は優しく、でも強く、重ねるように言葉を紡いだ。
すち
すち
その言葉に、みことはついに涙をこぼした。
恥ずかしいのも、情けないのも、全部飲み込んで。
みこと
みこと
すちはその手を、そっと包み込むように握った。
そして、もう何も言わず、ただそのままみことの涙が止まるまで傍にいた。
その姿はもう、“主”と“執事”ではなかった。
それは、人と人として向き合う、確かな心の距離だった。
──その夜。
こさめが洗面所で歯を磨いていると、ふと鏡越しにすちの姿を見つけた。
こさめ
すち
こさめはひとつうがいをした後、答える。
こさめ
こさめ
すち
こさめ
冗談めかして笑ったこさめに、すちは少しだけ目を細めた。
すち
こさめ
こさめ
こさめの言葉には少し照れが混じっていたが、でもその表情も、どこか晴れやかだった。
屋敷には、今夜も穏やかな静けさが流れていた。
それぞれの恋が、少しずつ、少しずつ──形になりはじめていた。
第16話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡170
rara🎼
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