テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ、執事パロ
rara🎼
rara🎼
rara🎼
17 “好き”を伝えたのに、届かない気がした
火曜の放課後。
春の陽射しに包まれた校舎の廊下で、みことはひとり立ち止まっていた。
手にはスマホ。
画面には、未読のままのトーク履歴。
──すちからのLINEは、今日一度も届いていない。
みこと
つぶやいてみても、胸の奥に広がるのは不安だけだった。
昨日あんなに気持ちを確かめ合ったばかりなのに、なんだか“距離”を感じてしまう。
そのとき──後ろから聞こえてきた会話に、みことの足が止まった。
もぶ
もぶ
もぶ
もぶ
もぶ
もぶ
──心臓が、跳ねた。
笑いながら通り過ぎていく生徒たちの声に、みことは立ちすくんだまま目を伏せた。
知らない誰かと話していた。
それだけのことなのに──
“ずるい”と思ってしまった自分が、いちばん嫌だった。
一方その頃、図書室の静かな窓辺。
すちは、分厚い書類ファイルを抱え、誰かと向かい合っていた。
すち
もぶ
もぶ
相手は、生徒会所属の女子。
礼儀正しく頭を下げる彼女に、すちは丁寧に微笑んだ。
すち
もぶ
書類のやり取り、それだけだった。
けれど、それを“偶然見ていた”存在がいた──
柱の陰に隠れて、ちらりと顔をのぞかせたのは、みことだった。
──まるで、他人に向けるその優しさが“特別”に見えた。
みこと
自分だけのものじゃない気がして、足元から感情が崩れていった。
その夜。
屋敷のリビング。
みことはソファに座り、テレビの音をぼんやりと聞いていた。
そこへ、すちが静かに入ってくる。
すち
みこと
すち
みこと
みこと
その声は、少しだけ尖っていた。
すちは一瞬だけ表情を止め、そっと隣に座る。
すち
みことは答えず、目を逸らす。
昨日はあんなに嬉しかった。
心が重なるって、信じたばかりだったのに。
みこと
ぽつりと、みことが呟いた。
すちの眉がほんのわずか動いた。
すち
みこと
みこと
すち
みこと
みこと
みことは、感情を飲み込むように言葉を続けた。
みこと
泣きそうな声。
それを聞いたすちは、そっと手を差し伸べる。
すち
そして、もう片方の手で、みことの頬にそっと触れた。
すち
その言葉は、真っ直ぐだった。
飾りも、言い訳もない。
まるで、確かな指先のように──心に届いた。
みこと
すち
すち
みことは、ゆっくりと目を閉じた。
触れてくれる手の温度が、“言葉”を確かに証明してくれたから。
みこと
すち
微笑んだすちの手を、みことはきゅっと握り返した。
すれ違った想いが、やっと重なった──ほんの少しの不安と、確かな“好き”を抱きしめて。
一方その頃、廊下の影で──
こさめ
息を吐いたのは、こさめだった。
壁に背を預け、スマホの画面を見つめる。
『今日、会えない?』
なつに送ったメッセージは、既読すらつかないまま。
こさめ
にじむ不安と、膨らんでいく寂しさ。
こさめの心にも、静かなすれ違いの影が落ちていた。
第17話・了
rara🎼
rara🎼
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡180
rara🎼
rara🎼
コメント
1件