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ー帰り道ー

のあ

……なぁんか、

のあ

気が抜けちゃったな…

えと

あはは、結構気にしてたもんねぇ

のあ

うっわ、バレてましたか

えと

そりゃあねっ

えと

あと、前自分でも言ってたじゃん

えと

のあさんは結構分かりやすいよ〜

のあ

むぅ、

のあ

喜んで良いのかそれは…

えと

大丈夫大丈夫w、素直なのは良いことだし

えと

それに…普通に可愛いから、私は好きだな

のあ

うーん……

のあ

ありがとうございます…?

えと

なんで疑問系なのww

のあ

www

えと

…まぁ、だから、なんとなく分かるよ

えと

本当は、なお兄にも渡したかったんだって

のあ

…!

えと

ふふ、

えと

ちょっとだけ、心残りがある顔してるよ

自分の頬を指でとんとんと叩きながら言うと、のあさんは少し、困ったような顔をした。

のあ

…まぁ、本音を言ってしまえばそうなんですけど、

のあ

流石にそんなことをいつまでもうだうだ言うほど子供でもないので…

のあ

気にしないでください!

のあ

今回は我慢!してあげます!!

えと

おぉ…!

えと

さっすが〜…!

そうして歩いていると、続けざまに二人のスマホが震えて、同じ通知音が鳴った。

えと

……?

のあ

なんでしょう…

のあ

両方に届いたってことは、グループラインかな?

えと

ん…本当だ、るなから…

のあ

「二人ともそのまま動かないで下さい!」って書いてありますけど…

えと

ちょっと待って何それ怖い

のあ

でも、るなさんですし…

のあ

多分深い意味は無いと思いますよw

えと

あー……

えと

…うん。それはそう

のあ

でしょww?

のあ

試しに、二人でちょっと待ってみましょっか

えと

そうだね〜、付き合ってやるかぁ…

二人で塀に寄りかかって、駄弁りながら時間を潰す。

いつの間にか周りは夕焼けに赤く染まっていて、綺麗だなぁなんて思って空を見ているうち、

ふと、昨日の連絡を思い出した。

『明日、話したいことがある』

えと

(………)

えと

(…大丈夫)

えと

(まだ約束の時間まで、大分ある)

えと

(大丈夫…)

不安を打ち消すように、深呼吸をひとつ、してみる。

そんな私を見て何を思ったのか、のあさんが鞄の中から飴玉を取り出して、私の目の前に差し出した。

えと

…ん?

のあ

あげます。

のあ

薄荷味なので、すっきりしますよ

のあ

えとさん、また何か考え事してたでしょ…

のあ

……

のあ

…あんまり、重く受け止めちゃだめですよ

えと

……うん

えと

ありがとう…w

えと

(……全く)

えと

(全部、お見通しってわけか…)

自嘲気味な笑みを浮かべながら、薄荷飴を口に放り込む。

鼻に抜ける爽やかな香りは、確かに思考を分散させてくれた。

えと

(…のあさんになら)

えと

(話しても、良いかな…)

えと

…………

えと

…ねぇ、のあさん

えと

あのさ…

ゆあんくんの事を話そうと口を開いた瞬間、

幸か不幸か、すぐ近くでるなの声がした。

るな

…あ!

るな

えとさんに、のあさん!

るな

やっと見つけた〜!!

えと

わ、

えと

るな…!

のあ

あ…もう、そっちこそやっと来ましたね…w

のあ

どうしたんですか……って、

のあ

え…なおきりさん!?

なおきり

どうもー

えと

な、なお兄…?

えと

なんでここに…

えと

……っあ、

るな

………

るな

…気付きましたか?

なおきり

えへ、良いもん貰っちゃいました♩

明るい笑顔でなお兄が掲げた紙袋を見て、 私ものあさんもすぐに察した。

のあ

…るなさん、遅くまで残ってたのって…

のあ

もしかして…

るな

ふっふっふ…ご覧の通り、

るな

ちゃーんと渡して来ましたよ!

のあ

……っ!

その言葉を聞いて、のあさんの瞳がきらきらと輝き始める。

えと

…凄い

えと

るな、お手柄だよっ!

えと

ありがとう…!

えと

私達、なお兄だけどうしても見つけれなくてさ…もう、今日は渡せないと思ってたんだ

えと

のあさんも気にしてたみたいだし…

のあ

ちょ、やめてくださいよ恥ずかしい…w

のあ

なんと言うか…そんなには気にしてなかったつもりだったんですけど、

のあ

やっぱり…嬉しいものですね

のあ

るなさん、ありがとうございます!

るな

そうだったんですか!

るな

じゃあ、頑張って探した甲斐があったってもんですね…

るな

喜んでもらえて、るなも嬉しいです!

私達はお互いに笑って、 今日で二度目のささやかなハイタッチを交わした。

***

のあ

…にしても、なおきりさんはどこに居たんですか?

えと

あ、それ私も気になる

えと

ぜんっぜん見つからないんだもん…

なおきり

えぇ〜?

なおきり

普通に保健室で涼んでましたよ?

のあ

もう普通って何なんでしょうね。

えと

というか、保健室に居たんだ…

えと

流石にそこまでの思考には至らなかったな〜w

るな

るなもびっくりしました…

るな

二人と同じく、どこ探しても見つからなくて…

るな

まさかやけになって行った保健室に居たとは。

えと

そりゃ驚くでしょうよ

なおきり

いやぁ、あそこの先生の話、面白くって

なおきり

つい居座っちゃいましたね

えと

あー…

えと

野田先生、孫に昔話聞かせるテンションで色々話してくれるもんな…

のあ

キリがつかないので、早めに切り上げた方が良いですよ…w

のあ

まぁ、話自体は確かに面白いし、

のあ

良い人なので私は好きですけど…

えと

分かるな、なかなか切り出せないんだよね

なおきり

………

なおきり

…そうだ、

なおきり

「好き」で思い出したんですけど

るな

なおきり

のあさんって…多分、好きなんですよね?

なおきり

じゃぱぱさんのこと。

えと

………

のあ

………

いきなり飛んできた予想外の発言に、私はぴしりと動きを止める。

隣から息を呑み込む音が聞こえたから、るなも同様に驚いているんだろう。

のあ

…あぁ……

のあ

ん〜…

のあ

…ばれちゃいました?

えと

え"っ

るな

のあさん…!?

意外や意外、デリカシーが無いとも受け取れる質問にさらりと答えたのは、

なんとのあさん本人だった。

なおきり

やっぱりそうですよね!

なおきり

実は、この間ヒロくんの家で雨宿りした時から疑ってて…

なおきり

ふっ…男なおきり、察してしまったぜ…✨

のあ

うるさいなぁ…w

のあ

一応言っときますけど、無闇矢鱈に言いふらしたりしちゃだめですからね?

なおきり

大丈夫ですって!

なおきり

任しといてくださいよ〜

苦笑いしながらも淡々と受け応えをするのあさんに呆気に取られていると、

気を遣われたのか、彼女の方から声を掛けられてしまった。

のあ

…二人ともどうしたんですかw

えと

ぁ、いや…

えと

そんなあっさり認めて良いもんなんだ〜、って…

るな

ちょっと驚いちゃいました…

るな

私達の時とは大違いですね、

のあ

そう…ですけど、

のあ

一々ガード張っても疲れるだけなんで……

のあ

バレちゃったらもう隠しても意味ない!お手上げ!

のあ

…の精神で何とかやっていけてます(=^▽^)σ

えと

おぉ…

えと

そっか…

るな

大人の発想だぁ…

なおきり

……なんか、

なおきり

カッコいいですね!

のあ

そ、そうですか…w?

のあさんはのあさんなりに、自分の心にちゃんと向き合おうとしているみたいだった。

そんな強かな親友を見て、私は素直に、

えと

(…なお兄の言う通りだ)

えと

(…うん、)

えと

(かっこいいな……)

そう、思った。

ー桃色公園ー

えと

…じゃあ、私はちょっと用があるから

えと

また明日ね〜

のあ

了解です!

のあ

今日も冷え込むらしいので、気をつけて下さいね〜

えと

おっけー、じゃあ早めに済ませとくw

えと

るなも…今日はありがとうね!

るな

いえいえ!

るな

えとさんとのあさんも、お疲れ様でした!

るな

それじゃ、!

えと

ばいばーい!

のあ

また明日〜

二人とお別れの挨拶を済ませ、公園のベンチに腰を下ろす。

私を呼んだ張本人はまだ来ていないようで、拍子抜けしたような、安堵したような、複雑な気持ちに襲われた。

えと

………

えと

話したいこと、か…

えと

(…断るのも変だから、了承しちゃったけど)

えと

(なんとなく…怖い)

えと

(なんでだろ…相手はゆあんくんだし)

えと

(怖がる理由なんて、何処にも無いはずなのに…)

もしかすると、彼に掬い上げられても尚、 私は過去を引き摺り続けているのかもしれない。

だって…もし割り切れていたのなら、 こんなに不安を覚えることは無かっただろうから。

えと

…っ

えと

(そうか…)

えと

(たぶん、私は、)

縋る人が居なくなることが、

どうしようもなく…怖いんだ

-to be continued-

臆病な君に、恋のエールを

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