テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
稲田 絢乃(いねだ あやの
翌朝、稲田絢乃は当然のように仲保秀之の家の前に立っていた。
両手にはコンビニの袋。中にはおにぎりと、なんだかよくわからないジュース。
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
寝癖を直す暇もなく、秀之はドアを少しだけ開けて睨むように言う。
だけど、昨日と違うのは───彼が、ちゃんと出てきたこと。
稲田 絢乃(いねだ あやの
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
ため息とともに、ドアがゆっくり開ききる。
パジャマのままの秀之と、制服のままの絢乃が対面する。
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
思わず飛びはねる絢乃。
そんな絢乃のノリに、秀之はこっそり目をそらす。
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
そう言いながらも、秀之はゆっくりと制服に着替え始めた。
学校へ向かう道すがら。
登校中の生徒たちが、ぽつぽつと二人に視線を向ける。
関沢 竜次(せきざわ りゅうじ
河副 逸平(かわぞえ いっぺい
小声でひそひそと交わされる声。
そのたびに、秀之の表情がわずかに曇っていく。
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
その言い方に、思わず口元が緩む秀之。
自分でも驚いた。
学校へ向かう道が、少しだけ明るく感じたのは、きっと───
絢乃が、横にいるからだ。
教室。
ガラッ。
扉を開けた瞬間、教室が一瞬だけ静まり返る。
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
秀之は、足がすくんだように立ち止まる。
だけど、絢乃がそっと袖を引っ張った。
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
教室の空気は、どこかよそよそしい。
でも絢乃の声だけが、まっすぐに秀之の耳に届く。
稲田 絢乃(いねだ あやの
仲保 秀之(なかぼ ひでゆき
稲田 絢乃(いねだ あやの
───でもその「今日」が、
次の「明日」につながるなんて、秀之はまだ知らなかった。