いつもと何も変わらない。
今日も変わらないまま1日を終える。
いつもと同じ道を通って、いつもと同じ電車に乗る。そして家へと帰る。
家のドアを開け、電気も付けずに薄暗い廊下を進んで 洗面所へ向かう。
そのまま風呂に入ってから歯を磨いた。
そして自室へ行き、眠りにつく。
これが僕の変わらない日常。
夕食は基本 食べない。昔は3食きっちり食べれていたけれど
今は1日1食程度だ。
そのせいか先生に心配される程だ。
そんなことをポツポツと考えながら 重くなる瞼を閉じた。
:
ここは何故だか居心地がいい。
何度か来たことがあるようだ。
辺りを見渡すと。ガランとした空間にポツンとベッドが置いてある。
花瓶があった。そこには数枚ほど花弁が散った【ムスカリ】が刺さっていた。
なぜここに親近感が湧くのか。そう、ゆあんくんの、病室だからだ。
赤城 柚杏
赤城 柚杏
そして無言でベッドに座っているゆあんくんが居る。
そんなゆあんくんの頬には大粒の雫が次々と溢れ出していた。
頬をツーっと伝って涙が膝の上に落ちる。そして目にも見えない速さで消えていく。
そして水滴の跡が残る。
赤城 柚杏
ずっとヒロくんの名前を呼ぶ ゆあんくんの顔は涙でぐちゃぐちゃだった。
赤城 柚杏
赤城 柚杏
赤城 柚杏
赤城 柚杏
赤城 柚杏
赤城 柚杏
赤城 柚杏
そんなゆあんくんを見ていた僕は胸が苦しくて。今にも涙が零れ落ちそうだった。
チリリリリ チリリリリ♪
:
チリリリリ♪
蒼田 直輝(なおきり)
何も言わずにベッドを降り、カーテンを開ける。
でも、僕は決めていた。
今日。灰川 洋をゆあんくんの元へ連れていく。
僕の何も変わらない日常は、今日も変わらない。
今日も同じ通学路。
そして、その道を止まらずに歩き続ける。
数分後。重い足を運んでたどり着いたのは学校。
やっと着いたッ!と思う以前に僕の思考はひとつのことで埋まっていた。
そう。【灰川 洋】だ。
いつもと違う階段を登って懐かしい教室を覗く。
ヒロくんはどこだろうか。そんなことを考えながら教室を見渡す。
そこで僕を見つけて走ってきた子がいた。
蒼田 月愛
蒼田 直輝(なおきり)
この子は【月愛】(るな)僕の妹だ。
綺麗な月のように皆に愛されて生きて欲しい。という思いを込めて付けられた名前。
とても好奇心旺盛の女の子だ。
蒼田 月愛
蒼田 直輝(なおきり)
蒼田 月愛
蒼田 月愛
僕が質問すると。一瞬顔を顰めたが直ぐに笑顔になって答えてくれた。
蒼田 直輝(なおきり)
蒼田 直輝(なおきり)
蒼田 月愛
蒼田 月愛
ほんとに分かってるのだろうかと心配になったが月愛を信じる事しか出来ないので今は1度信用した。
話を終えて自分の教室へ向かった。
♡80 NEXT……
コメント
37件
あれ?気づいたら500押してたア(๑° ꒳ °๑)ロ…