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出会ったのは高校生になりたての春

恥ずかしい話、入学式が楽しみすぎて眠れなかった俺は

体育館入場前に倒れて保健室に居た

じゃあ宮本くん、 何かあったらそこのボタン押してね

宮本 雷斗(みやもと らいと)

は〜い

控え目に手を振った保健の先生は、パタパタと慌ただしく体育館へ戻って行った

宮本 雷斗(みやもと らいと)

...はぁっ

宮本 雷斗(みやもと らいと)

入学式前に倒れるとか

宮本 雷斗(みやもと らいと)

恥ずかしすぎて転校したい

多分、倒れた原因が寝不足なのはクラスの皆は知らない

知られたら、それこそ転校を本気で視野に入れなくてはならないレベルに恥ずかしい

特に体が弱いわけではないが、昔から寝不足にだけは勝てなかった

宮本 雷斗(みやもと らいと)

ヤバいかなとは思ってたけど...

宮本 雷斗(みやもと らいと)

まさか倒れちゃうとか

今までは立ったまま寝るとか、話してる最中に寝るとか

まぁ、それも充分恥ずかしかったけど

宮本 雷斗(みやもと らいと)

それにしても

宮本 雷斗(みやもと らいと)

保健の先生エロかったな...

宮本 雷斗(みやもと らいと)

流石、高校だな

ドラマや映画の様に胸元が空いた白衣を着ているわけでもないのに

メガネをかけた女医ってだけでなんか物凄くエロさを感じた

あんなのオバサンだよ?

宮本 雷斗(みやもと らいと)

!?

誰もいないと思っていた保健室に

寝起きの様な気の抜ける声が響いた

寝転んでいたベッドから体を起こし、再び声がしないかと聞き耳を立ててみる

聞こえてくるのは声ではなく、布が擦れる様な音だけで

先程の声の主は、どうやら隣のベッドに居るらしい

宮本 雷斗(みやもと らいと)

...いや、でもさ

宮本 雷斗(みやもと らいと)

オバサンでも良くない?

宮本 雷斗(みやもと らいと)

エロかったら

あえて会話の返事をしてみる

少しの間沈黙が出来たが、カーテン越しにクスクスと笑う声が聞こえてきた

見た目がエロいからって あの先生がエロい事してくれる わけじゃないんだよ?

宮本 雷斗(みやもと らいと)

そんなの...

宮本 雷斗(みやもと らいと)

...ワンチャンも無い?

ふふふっ ないない、絶対無いよ

宮本 雷斗(みやもと らいと)

無いか~

柔らかな声と温厚そうな話し方に、俺の警戒心は簡単に解れた

再びベッドへと倒れ込み、眠くなくなってしまった目を閉じる

ねぇ、名前なんて言うの?

どうやら隣の奴も眠気が無い様で、さっきより少し弾んだ声で名前を聞いてきた

宮本 雷斗(みやもと らいと)

宮本雷斗

宮本 雷斗(みやもと らいと)

お宮参りの宮に

宮本 雷斗(みやもと らいと)

読む本で宮本

宮本 雷斗(みやもと らいと)

雷(かみなり)に、十字にチョンチョンの斗で雷斗

自己紹介用に考えていた名前の漢字説明

入学式前の教室で披露した時はまぁそこそこな好感触だった

雷斗...雷斗、ね

ポソポソと俺の名前を復唱する小さな声が聞こえる

隣の奴の名前も聞こうと口を開けた瞬間

ーシャッー

俺と隣の奴に隔てられていたカーテンが勢い良く開いた

???

雷斗

カーテンの先に立っていたのは

???

僕ならワンチャンだけじゃなくて

???

何回でもシてあげられるよ

???

エロい事

上半身裸の、やけに肌の白い男子生徒だった

宮本 雷斗(みやもと らいと)

ぉ...あ、え?

動揺して言葉が出てこない

そんな俺を置き去りにして、色白の男はゆっくりとした動作でベッドに上がってくる

???

保健の先生と僕

???

どっちがエロい?

宮本 雷斗(みやもと らいと)

へ?

宮本 雷斗(みやもと らいと)

え、あ、いや、どっちって

???

ねぇ、ちゃんと見て

???

僕に触ってみたくない?

宮本 雷斗(みやもと らいと)

さ、わ...て、ぉ、おいっ

だらしなく開きっぱなしになりそうな口を閉じて、ゴクリと唾を飲み込んだ

見せ付ける様に体のラインをなぞる指に視線が奪われる

その指がピンク色の乳首を掠めた時

???

んッ

宮本 雷斗(みやもと らいと)

ッ、ぇ...っろ

小さく跳ねた体

掠れた甘い吐息

一瞬、切なそうに寄せられた眉

衝動的に、俺は目の前の男に手を伸ばしていた

???

ふふっ

???

興奮しちゃった?

伸ばした手を素早く捕え、目の前の男は視線を下から上に移動させる

バチリと合わさった視線で何を言いたいのかが分かってしまい、俺はカッと顔を赤くさせた

宮本 雷斗(みやもと らいと)

いやっ、これは

???

可愛かったね

???

ピクッて反応してた

それはお前だろ!

と言ってやりたかったが、白い指でズボン越しに反応した箇所をなぞられて思わず押し黙ってしまった

???

シてみたい?

???

僕と...えっちな事

耳に息を吹き込む様に囁かれ、ぶるっと自然に身震いする

やわやわと耳を甘噛みされて、いよいよ俺も収まりがつかなくなってしまう

???

耳、きもちぃ?

宮本 雷斗(みやもと らいと)

ぃ、や...くすぐったい...かも

???

ホントだ

???

鳥肌立っちゃってる

制服の袖口からスルリと手が入り込み、確かめる様に腕を撫でられる

チュッとわざとらしく音を立てて耳から離れた小さい口

その口は躊躇いも無く俺の股間に近付いた

宮本 雷斗(みやもと らいと)

ちょっ、待って!

???

ん?

宮本 雷斗(みやもと らいと)

な、何してんの?

肩を掴んで動きを止め、行動の意味が理解出来ずに問いかける

俺の股間から顔を上げた男は、不思議そうな表情で当たり前だと答えた

???

フェラだよ?

???

知らない?

宮本 雷斗(みやもと らいと)

フェッ、い、知ってるけど!

友達と猥談をする事はよくあるが、実を言うと俺は経験が全く無かった

慣れていない事は口にするのも少し抵抗がある

ましてや何の準備もしないまま経験するなんてキャパオーバーだ

???

もしかしてフェラ初めて?

???

大丈夫だよ

???

僕、上手いから

ニコッと笑うその笑顔が怖く感じるのは何故だろうか

肩を掴む俺の手を退けて、男は再び頭を下げる

やけに手際良く前を寛げられ、驚きと、場の雰囲気と、生理現象と...少しの期待と

色んなものが混ざって勃ち上がる欲を取り出されてしまった

???

やっぱり

???

可愛く反応してるね

宮本 雷斗(みやもと らいと)

...言うな

???

僕のせいでこうなったんだよね?

キュッと指で摘まれる

下から俺を見上げた男の顔は、その辺の女よりも可愛く見えた

???

じゃあ、その溜まったもの

???

ちゃんと僕が絞り出してあげる

耳に横髪をかけながら下を向く男に、俺はボソッと声を掛けた

宮本 雷斗(みやもと らいと)

名前、聞いてない

???

...いの

動きを止めた男は、俺と同じくらい小さく名前を口にした

???

吹く風に隼(はやぶさ)で風隼(かぜはや)

???

伊豆の伊に、簡単な乃で伊乃(いの)

風隼 伊乃(はぜはや いの)

風隼伊乃だよ

宮本 雷斗(みやもと らいと)

伊乃...

これが俺と伊乃の出会いだった

ーENDー

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